冒険倶楽部活動ファイル
ファイル7 不思議な体験
今回はちょっと不思議なお話、私はファンタジーは好きだしそう言ったのにも興味がない訳じゃ無い、でもどっちかって言うと現実と妄想の区別はついているはずだった。
10月の某日、それは倶楽部のミーティングの事だった。
「う〜ん……」
十波君は唸ってた。
何でも次の冒険の場所が決まってなかったからだ。
秋は秋らしい事をしたいと言う事らしい。
「秋、秋、秋ぃ〜……」
「十波君、とにかく一休みしましょうよ」
私は買ってきたジュースを差し出す。
すると部室内の皆がそれぞれの秋を主張する。
「秋って言ったらスポーツの秋だ」
龍太郎君が壁にあったボールを手に取りながら言う、
「違うでしょう、芸術の秋よ」
羽須美ちゃんが刺繍をしながら言う。
「食欲の秋だよ〜」
舞加奈ちゃんがビスケットを食べながら言う、
「私は、まぁ…… 読書の秋かな」
私は持って来たライトノベルを手に取る。
すると私は1人足りないのに気付いた。
「あれ、そう言えば功治君は?」
功治君は日直だから帰るのが遅くなるってのは知ってたけどそれにしては遅すぎる、
もうすぐ4時半を回ろうとしていた。
「こんにちわーっ!」
噂をすれば何とやら、功治君がやってきた。
「ちょっと功治君、遅いわよ!」
「何やってたんだ?」
羽須美ちゃんと龍太郎君が眉を釣り上げると功治君は上着のポケットに手を突っ込んだ。
「ゴメンゴメン、これとってたら遅くなったよ」
取り出したのはドングリやマツボックリだった。
「どうしたんだこれ?」
「すごいな、結構デカイ!」
椅子を蹴って立ち上がった十波君や龍太郎君はそれを手に取り喜び始めた。
「んもう、男の子ってこう言うの好きよねぇ……」
「あはは……」
私は苦笑する、
「どこで見つけたんだ?」
「ん、あそこだよ。学校の近くの森の中」
「ええっ、あそこ通ったの?」
「どうしたの、羽須美ちゃん?」
すると羽須美ちゃんは顔を青くした。
「……あそこ、幽霊が出るって噂があるのよ、」
「ゆ、幽霊?」
私も背筋が寒くなった。
実は私はホラーが苦手で本もそれだけは買わない事にしている。
「幽霊なんかいる訳ないよ〜、今は科学の時代だし〜、」
舞加奈ちゃんはあっさりと否定、
「オレも、見た事ないし、」
「僕はいて欲しいと思ってるけど……」
「半分半分、」
龍太郎君、功治君、十波君もそれぞれの意見を出す。
「アンタ達ねぇ、幽霊馬鹿にすると死ぬわよ!」
「じゃあ行ってみるか?」
「えっ?」
「今度の冒険、その森で幽霊探し。」
「ええええっ?」
とんでもない事言っちゃった。と羽須美ちゃんは思ったんだろうなぁ、
昼間からでる幽霊なんていないだろうし大丈夫だろと私も思った。
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki