小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

冒険倶楽部活動ファイル

INDEX|30ページ/58ページ|

次のページ前のページ
 

 その後の勝負も白熱した戦い(ゲーム)が行われた。
 第2ゲームは『海賊間違い探し』、画面に映し出された海賊達が戦っている2枚の絵の中から間違いを7つ探し出すと言う勝負は羽須美ちゃんが出て敗北、
 第3ゲームは『ヴァイキング・バトル』、プラスチックで作られたヴァイキング・アーマーとメットを被り、額と両肩と胸につけられた風船を3分以内にスポンジで作られた斧や剣で壊した方が早いと言う勝負は龍太郎君が出て勝利、
 第4ゲームは『海賊モザイククイズ』、代表者にモザイク絵を出して不正解になったり相手に先に答えたりすると競り上がって行く滑り台に乗り最後まで下に落ちなかった方が勝利と言う対決は功治君が出て敗北、
 第5ゲームは『大航海レース』、アーケードゲームのバイクゲームみたいに画面の海路をバイクの代わりに1人乗りの海賊船で横断すると言う勝負は私が出て敗北、この瞬間私達に王手が掛かった。
 第6ゲームは『シャーク・シューティング』、ジャンケンで先攻後攻を決めて画面に出てくる鮫を赤外線の銃で多く仕留めた方が勝ちと言う勝負は舞加奈ちゃんが出て勝利、これで同点となった。
 泣いても笑ってもこれが最後の戦いとなった。それは……
『二人三脚対決!』
 代表者がパートナーを選び会場を一周した方が勝ちと言うもはや海賊とは何の関係も無いゲームが始まった。
「フフフ…… いよいよ俺の出番か」
 両手を組んで立ち上がる鯨那君、すると鈴木さんがクジを持ってやって来た。それは空き缶の中に入った6つの棒、それを引くと自分のチームメイトの名前が書かれているのでその子と組む事になる。
「んんん〜〜〜…… これだぁ!」
 気合いを入れて鯨那君がクジを引く、彼のパートナーになった相手とは……
「何で?」
 最悪な事に鯨那君のパートナーは十波君になってしまった。
 十波君も不機嫌そうに顔を顰めている。
「お前どんだけクジ運悪いんだよ?」
「うるさい! セバスチャンッ! もう一回やり直しだ!」
 すると鈴木さんは首を振る、
「いいえ、これはルールでございます。クレームがあるのでしたら会社の上層部に申し出るのがよろしいかと……」
 意外とシビアな人だなぁ鈴木さんって…… 
 仕方なく十波君右足と鯨那君の左足にテープが巻かれる、
 ちなみに向こうのチームはキャプテンと二回戦の選手(龍太郎君の対戦相手の男の子)がパートナーだった。
「……足引っ張るなよ」
「そっちこそ、ヘマするな」
 ついに最終対決が始まった。
 ブザート供にスタート、相手チーム物凄く息の合ったコンビプレーでスタートダッシュを決めた。だけど……
「「うわぁっ!」」
 十波君と鯨那君は最初の一歩で転んでしまった。
「何やってんだ、最初は右足からだって言っただろうが!」
「お前が右ならオレは左足だろ!」
 また始まっちゃった。
 相手チームは2人にお構いなく距離を広げて行った。
「もう頭来た。オレもう辞める!」
「えええっ?」
 みんな驚いた。ここまで来てリタイヤ?
「ちょっと、私達の苦労は……」
 羽須美ちゃんが海賊船から身を乗り出して叫ぶが2人は全く聞いてなかった。
 すると私はだんだんイライラしてきた。
「僕だってそうだ。大体お前が……」
「いい加減にしなさぁ―――ッッ!」
 気が付いた時には叫んでいた。
 私の声に会場の人達は振り向き対戦相手の2人組みも足を止めてしまった。
「2人供、みんな迷惑してるのが分からないの? 2人のワガママで私達の努力が無駄になっても良いって言うの?」
「「そ、それは……」」
 2人は口ごもる、
「まず鯨那君、貴方はそんな中途半端な思いでこのイベントに参加したの? 貴方は自分が気に入らない事があったら簡単に辞めちゃう様な人だったの?」
「うっ……」
 そして今度は十波君を見る。
「十波君もよ! 絶対に諦めないのが冒険倶楽部の決まりなんじゃないの? それを貴方が自分から破ってもいいの?」
「あっ……」
 2人は目を背ける、
「仲良くするしないはともかく途中で止める方がよっぽどカッコ悪いじゃない、そんな2人、私大嫌いよっ!」
 思わず言ってしまった。
 我に返って辺りを見回すと皆信じられ無さそうな顔をして固まっていた。
 すると十波君と鯨那君はしばらく考えて……
「おい、秀」
「何だ?」
「協力しろ、今回だけで良い」
 鯨那君は後ろの自分達が進むべき道を見る、
 すると十波君鼻で笑った。
「もちろんだ・絶対勝つ!」
「行くぞぉーっ!」
 2人は足場を強く蹴って走り出した。
 その速さは陸上短距離選手真っ青だった。
 対戦相手は慌てて走り出すが十波君と鯨那君の勢いは止まらなかった。
「「うおおおおおおおおー――――ッ!」」
 十波君達は相手チームとの差を徐々に詰めて行った。
「秀ェエエ―――ッッ!」
「鯨那ァアア―――ッッ!」
 2人にはもう何も何も考えてなかった。
 なりふり構わずただ速く走る事しか考えてないと思った。
「「負けるかぁああ――――――っ!」」
 十波君&鯨那君と相手チームは同時にゴールテープを切った。
「同時? どうなるの?」
 私達はセバスチャン(鈴木)さんを見る、すると、
『只今の勝負ですが、会場に設置したカメラの写真判定より決めたいと思います。』
 ゴールにはこんな事もあろうかとデジタルカメラビデオカメラを設置していた。
 それを画面に映してスローモーションで見る。勝敗は……
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki