冒険倶楽部活動ファイル
ファイル5 夏祭り
1月後の8月後半、夏休みも終わりに近づいたのでこの日は部室に集まって宿題をやる事になった。
「ったく、思ってたけど殆ど終わってないな……」
十波君は龍太郎君と功治君と舞加奈ちゃんの宿題を見る、殆ど白紙だった。
「夏はどうしてもだらけちゃって」
「僕は天文観測に忙しくて」
「俺は剣に生きる!」
「開き直るな……」
十波君は頭を抑えた。すると羽須美ちゃんは十波君のノートを見た。
「でもさすが秀よね、全問正解……」
「おいコラ、勝手に見るな!」
十波君の宿題は全部終わっていた。私なんかまだ半分しか終わってないのに……
「……この3人よりはまだマシだよ」
何でも功治君も羽須美ちゃんは毎年この時期になると宿題を写しにくると言う、龍太郎君も毎年最終日になるとドタバタするタイプみたい。
「舞加奈ちゃんはしっかりやってるのね…… って?」
「ZZZZ〜……」
舞加奈ちゃんは寝息を立てていた。
「舞加奈はこの季節になると昼夜逆転しちゃうんだよ……」
「その為に時間が余ってたんだ……」
毎朝やってるラジオ体操もこれから寝る為の軽めの運動だったのね、でも良くお父さんやお母さんに叱られない物ね……
「まぁ、寝たい時に寝るのが夏休みだよ」
「星を見るのも夜だしね」
「俺は体を動かしてる方がいいけどな」
「少なくとも勉強しないお前達よりはマシだ」
十波君は口を酸っぱくする、いくら温厚な十波君でも怒るよねそれは……
「でもさぁ、こう暑くちゃ何もできないよ〜」
「冒険も一通り終わっちゃったしね……」
夏休みは週に3回冒険する事になってるらしい、私の写ってる写真も増えてボードに張ってある。海に行ったり森で蝉を取ったりと楽しかった思い出がここにある。
「そうだ。今日花火大会じゃなかったっけ?」
すると龍太郎君が言って来た。
「そうだよ、確かにあれ見ないとね」
「夏が終わったって感じじゃ無いしね」
「そんなに凄いの?」
私は訪ねる。
「あ、そうか。ほのかちゃん始めてなんだよね?」
「結構凄いんだよこの島の花火って、TVとか来るし」
「地方番組でしか放送されないけどね。とにかく一見の価値ありだよ」
「じゃあ行ってみよう」
私ももちろんОKだった。だけど舞加奈ちゃんは……
「たこ焼き〜、焼そば〜 ワタアメ〜…… ZZ〜……」
どうやら賛成みたい。
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki