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冒険倶楽部活動ファイル

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 正直みんなの意見は役に立たなかった。
 金曜日が終わり土曜日も丸1日使って考えたけど短冊は白紙(水色だけど)のままだった。
 私は蝉の声が響く自宅の机の上に置かれている短冊とにらめっこをしていた。
「ハァ……」
 私は机に鉛筆を置いた。そして風鈴が下げられている窓の外を見ると空には入道雲があった。雲はいいなぁ、宿題なんか無くて…… と、そんな事を考えていると。
「あ、そうだ!」
 私は思い出した。
 今日は欲しかったラノベが発売されるんだった。私は財布を持って本屋さんへ向かった。

 商店街の一角にある本屋さん、その扉にはお目当てのラノベのポスターが貼られていた。
 高校生の主人公と幼馴染のヒロインの学園ラブコメディの3巻目と書かれている。
「あ、あった」
 私は並べられていた本を手に取るとカウンターへ向かった。しかしその時に前から来た人とぶつかってしまった。
「あ、ごめんなさい」
「すみません…… って、河合さん?」
「十波君?」
 なんと相手は十波君だった。
 私達は本屋さんを出て公園にやって来た。
 実は十波君も欲しい本があってお店にやって来たと言う、十波君が買ったのはとある冒険家の旅の記録だった。
「世界放浪紀?」
 私はタイトルを読み上げる。
「僕この人の大ファンでさ、ブログも毎日欠かさずチェックしてるんだ」
「そうなんだ……」
 私は微笑する、十波君も私と同じところがあるんだなと思ってどこか嬉しかった。
 ただ違うのは私のはフィクションで十波君の派ノンフィクションと言うところだけだろう。
「河合さんはライトノベル?」
「あ、うん。」
 私は買った本を見せた。タイトルは『Love・Days』、
「へぇ、恋愛物なんだ」
「うん、その作家さん恋愛物しか書かないけどね、結構面白いよ」
 と言っても十波君には興味ないか、恋愛物だし、
「そんな事無いさ。結構面白いよこれ、結構話しにのめりこめる」
「本当に?」
「まぁ、途中からだから話の本筋やキャラの絡みは良くわからないけど…… 作家さんってすごいよね、自分のやりたい事や願いを形にできるんだから。」
「あっ……」
 『やりたい事』、その言葉で私は宿題の事を思い出してしまった。
 私は十波君に話した。
「実はまだ書いて無いの……」
「そうなの?」
「うん、私はやりたい事が無いの……」
 私は肩を落とした。
 すると十波君は何を思ったのか少し考えると……
「河合さん、これから暇? 良かったらこれから出かけない?」
「えっ?」
 今日は冒険の日でも無いのに?
「大丈夫だよ、ここから近く出し、夕方までには帰ってこれるよ」
「そう?」
 これから帰って本を読もうと思ってたし、まぁいいか。
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki