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冒険倶楽部活動ファイル

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 とりあえず私達の装備はこうなった。

 私,(ほのか), 
 武器:鉄のメイス  防具:ローブ
 頭部:皮の帽子   装飾:シルバーリスト

 十波君,
 武器:ツインダガー 防具:皮の胸当て 
 頭部:ゴーグル   装飾:皮の手袋

 功治君, 
 武器:鉄の爪    防具:武道着
 頭部:必勝鉢巻   装飾:パワーバッジ

 羽須美ちゃん,
 武器:マージロッド 防具:ローブ
 頭部:皮の帽子   装飾:シルバーリスト

 龍太郎君,
 武器:長剣     防具:鎖帷子
 頭部:バンダナ   装飾:パワーバッジ

 舞加奈ちゃん,
 武器:リボルバー  防具:ローブ
 頭部:皮の帽子   装飾:皮の手袋

 装備を整えて回復や補助アイテムを購入すると私達は北の山脈を目指した。
 本当なら10日はかかる道のりでも数分で着いてしまう、便利な物である。途中に現れるモンスターを倒しながら私達は北の山脈までやって来た。
「さてと、思いっきり暴れるぞ〜!」
「私の魔法で一網打尽っ!」
 功治君や羽須美ちゃんに連られて皆の士気が高まる、すると十波君が言った。
「いくらクエスト1とは言え最後のクエストだ。きっとボスも強いから気を付けてくれ」
「了解!」
 皆武器を構えると一斉に山賊のアジトへ突入した。
「おりゃあああっ!」
 アジト内に入ると山賊さん達(みんなおんなじ顔と武器)がお出迎えとなった。
 そして問答無用の大乱闘が始まった。
「ファイアッ! スプラッシュ! サンダーッ!」
「連射っ!」
 魔法を連呼して羽須美ちゃんと銃を乱射させる舞加奈ちゃんが隙を作ると十波君、功治君、龍太郎君が飛び込んで山賊達を引っ掻き回す、そして怪我をしたら私が回復する、このコンビネーションで盗賊団を撃破して行った。
「あっ、待った!」
 すると先に進もうとした私達を十波君が止めた。
 部屋の隅に宝箱が置いてあった。
「お宝は回収しないと」
「それじゃ泥棒だよ!」
「いや、盗賊だし……」
 そう言えばそうだった。職業だけなら十波君も山賊と大して差は無かった。
 気を取り直して奥に進んで行くと一番大きな部屋にたどり着いた。どうやら終点、ボスの部屋らしい。
「何だテメェ等は?」
 部屋の奥の椅子には私達より背の大きな硬そうな鎧に身を包んだ岩みたいな厳つい顔の左頬に傷の付いた男の人が座っていた。
「お前が盗賊団のボスか?」
「仲間は全部倒した。観念しろ!」
 龍太郎君は両手で剣を構えて功治君は身構える。
 すると盗賊のボスは大きく笑い出した。
「はっ、命知らずなやつ等だ。そんなに死にてぇなら望み通りにしてやるぜ!」
 盗賊団ボスは立てかけてあった斧と盾を手に取ると私達に襲い掛かって来た。
「この〜っ!」
 舞加奈ちゃんは銃を乱射する、
 しかしボスの持つ盾が異常に堅くダメージを与える事が出来なかった。
 龍太郎君の攻撃や功治君の一撃も大してダメージを与えられない。
「こうなったら、ファイアッ!」
 でも羽須美ちゃんの魔法でも大してダメージを与えられなかった。杖の先から噴出した炎の玉はボスに弾かれた。
「ハハハッ! そんな物がこの俺様に通じるか!」
 そう言ってるがボスは身を守ってるだけだった。
 魔法は一切通じない、しかし物理攻撃はかろうじて効いているけど守ってばっかりじゃ勝てる訳がない…… と思っていると、
「おらああっ!」
 途端盾が光ると衝撃波が飛び出して私達を襲った。
「うわああっ!」
「きゃああっ!」
 私達は吹っ飛ばされた。
「どうなってるの?」
「あの盾、攻撃を吸収して跳ね返すんだ」
「そんなの有り〜?」
 まぁ、有りなんだろうけど…… ダメージは低いけど全体攻撃の上に、敵のメイン攻撃も加算される訳だからHPには充分気を付けなければならなかった。でも私はまだ複数の回復魔法は覚えてなかった。
 しかも相手は攻撃をした後すぐ防御してしまう、あの盾さえなければどうとでもなるのに……
「きゃああっ!」
 舞加奈ちゃんは敵の攻撃を喰らって大幅にHPを減らした。あらかじめ防御してたから0にはならなかったけど……
「舞加奈ちゃん、今回復してあげるから」
「多少のダメージはくらっても攻撃する必要がある。どうやら僕達は少々レベルが低かったみたいだ。」
「あ…… ごめんなさい」
 すると羽須美ちゃんとは謝った。
 もう少しレベルを上げようと言ったのにクエストを受けようと言い出したのは羽須美ちゃんだったからだ。
「……でもどうする? 1回負けるか?」
 ゲームオーバーになれば無ればセーブした所からやり直せる、ちなみにセーブは町で記録しておいた。
「いや、諦めちゃ駄目だ」
 すると十波君が言った。
「いくらゲームと言えど諦めちゃいけない、それが僕達冒険倶楽部じゃないのか?」
「じゃあどうするの?」
 すると十波君が考える、すると十波君は私に言った。
「河合さん、舞加奈の回復だけどちょっと待ってもらえるかな?」
「えっ、どうして?」
「回復はこの中でスピードが高い功治が薬草で行う、君は別の魔法を使ってくれ」
 でも何を?
  私の主な魔法は回復やサポート、だけど攻撃できない訳じゃ無い、さっきレベルが上がって渡し始めての攻撃魔法を覚えた。それは『シェイク』と言う衝撃波を起こす魔法だったけど奴には通じない。
「いや、使うのは攻撃魔法じゃ無い…… 使うのはサポート、攻撃力を上げる魔法だ。」
「でもそれでも1人づつしか……」
「大丈夫、みんなで回復の役割分担を決めれば何とか間に合う!」
「じゃあ秀は? スピードだけなら秀の方が上だよ?」
「……僕はやる事がある、この技を使って攻撃する」
 十波君は私達に必殺技のコマンドを見せる、それは攻撃力は低いが相手の防御力を下げる効果を持つ必殺技だった。
 魔法は通じないが必殺技の効果なら通じるかもしれない。
「大したダメージは戻ってこないと思うけど、みんなの力をあわせれば必ず勝てる!」
「うん!」
 皆の言葉は同じだった。
 駄目で元々ならやれるだけやった方がいい、まさにその通りだった。
「じゃあまずは功治君から」
 私が功治君に向かって手をかざす、
「精霊達よ。かの者に力を、パワードッ!」
 すると功治君の体が赤く輝いた。まずは1人目……
「クロス・ドライブッ!」
 十波君は1人敵に突っ込んで攻撃を浴びせた。
 ダガーを持った両手を大きく開いて敵にクロスの字に切りかかる。
 結果は狙い通り、相手の防御力が少しだけど減った。
 その後十波君が少しでも相手の防御力を下げ、敵の攻撃を防ぎながら道具による回復と私のサポート魔法が全ての者に行き渡った。皆の体が赤く輝き攻撃力が二倍となった。
「河合さんと羽須美は防御、功治と龍太郎と舞加奈は僕と一緒に最大の技でぶつかるんだ!」
「分かった!」
 十波君達はコマンドで一番大きな攻撃技を選んだ。
「クロス・ドライブッ!」
 もう一度十波君の技が炸裂、これで相手の防御力はかなり下がったはずだった。
 そしてみんなの一斉攻撃が始まった。
「ドラゴン・ブレイクッ!」
「爆裂掌っ!」
「ボム・バレット!」
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki