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雨があがれば

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突然だけど、あなたにとっての夏休みのイメージって、どんな感じだろうか?
鳴りやまないセミ、冷えたスイカ、巨大なひまわり、そして、すべてを焦がさんばかりの日差し。そんな感じだろうか。
今挙げたのは、全部僕が去年までなんとなく抱いていた夏休みのイメージ。少しはあなたの持つイメージとかぶると思う。
そして高校受験をひかえたいわゆる「受験生」である今年の僕のイメージはというと、寒いくらいの冷房、夏期講習、模試とその返却、そして、毎日があっという間にすぎていく、うすら寒い不安。あなたは共感できただろうか。
昔はどうだか知らないけど、今の中3にとって、受験はほとんど義務みたいなもんだ。やらないわけにはいかない。
もちろんそんなの言葉のあや、単なる比喩であって、受験をしない子や、いろんな事情でできない人もいる。
でも、僕は何か夢や目標があるわけでもないし、末は博士か大臣か、なんて言われるような特別頭のいい人間でもない。でもとりあえず高校には行っとかないとまずいかな、という思いで受験生になった。

受験って、戦いだ。こんな言い方をすればあなたは笑うかもしれない。
たしかに体のどこかが傷つくわけではない。血も出ない。死んだりもしない。たいていは。
でも、たしかに戦いなんだ。自分の中の多くのものをすり減らしながら、誰かと、あるいは何かと競う。
そしてそんな生活はとても疲れる。夏休みのイメージを塗り替えてしまうほどに。


さて、長い前置きになっちゃったね。愚痴がたまってたんだ、うん。
これは僕の夏休みの、とある一日の話。
あなたには共感してもらえるだろうか?
作品名:雨があがれば 作家名:やしろ