テーマ「せい」で三連作
先生と後輩
「じゃあ、動かなくなったあの馬鹿に代わって、私があなたとお話してあげる」
そう言ってにこりと笑う、先生。
「有難う御座います」
「良いのよ良いのよ。で、今年のテーマは何だったかしら」
「『せい』です、先生」
「『せい』、ねえ……なかなか奥深いテーマね」
「そうなのですか」
「そうよ。実に深遠かつ腹立たしい、まったくいつになったら結婚するんだなんて催促されるのも、私が一人娘だから仕方ないのかもしれないけど、でもそういう考え方って女性差別って言うんじゃないかしら、ねえ貴女どう思う?」
「……先生が怖いです」
作品名:テーマ「せい」で三連作 作家名:tei