妄想
Scene2
彼女は誰に対しても人当たりがいい。
以前は辛口な言動が目に付いたが、最近はだいぶ気をつけているのかそういった言動が見られなくなった。
そうすると、彼女の魅力は以前にも増して際立つようになり、恋人である私は気が気ではない。
私の友人であり、これまた人気者のアジア系美人のあの子に始まり、彫りの深い顔立ちの彼女に負けず劣らず辛口な子、色白な大和撫子と交流は幅広い。
最近はイタリアの留学生とやらとも仲良くなったようだ。
嬉しそうに彼女達の話をする恋人に、私はふーんと生返事を返すだけだ。
どんなに他の子と仲良くなっても、彼女の魅力を一番理解しているのは私だと思いたい。
「……って、餃子が人気者になったラー油に対してやきもきしてたらいいと思う!」
「……あんた、バカでしょ」