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おやまのポンポコリン
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novelistID. 129
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黄泉の国より帰りし子

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延岡「じゃが、簡単な事じゃねえ……」
駐在「と、言うと?」
延岡「黄泉の国の神様は厳しい試練を言い渡すでな……」
山内「連れ帰る子を絶対に振り返って見ちゃなんねえだ」
駐在「それはよく聞く話じゃが、神話じゃろうに」
山内「でも、あの子は信じちょる……」
駐在「で、美也子さん、今はどうしとるんかね?」
   山内、延岡と頷き合って駐在を地下に案内する。

○ 山内家、地下。
   地下にも廊下が続いている。
   左右には古い道具類。
   その廊下を行く山内と駐在。
   突きあたりに部屋が見える。
   閉ざされたその部屋。
   覗き込む駐在。
   その部屋は座敷牢である。
駐在「こ、こりゃあ監禁じゃねえか……」
山内「今夜は満月じゃで、今日だけは出せん」
   山内、部屋の下からポットを差し入れる。
山内「美也子、茶、置いていくでな……」
   山内と駐在、その場を去って行く。

○ 座敷牢
   閉ざされた小部屋である。
   部屋の中には布団、タンス、鏡台がある。
   唯一、高窓があって、美也子はそこから外を見ている。
美也子「ねんねこさっしゃりま〜せ……」

   子守唄を歌っている美也子。
美也子「起きて泣く子〜の、ねんころりん」
   家の造りが古いのか、窓枠の木が少しずれる。
   その瞬間、美也子の目に精気が宿る。
   部屋の中を見渡す美也子。タンスを見つける。
   タンスを移動する美也子。
   タンスを階段代わりにして窓枠を外す美也子。
   美也子、懐中電灯を手に脱出に成功する。

○ 三松村・村道。
   村道を警戒しながら進む美也子。
   正面から村人が来る。
   あわてて、草むらに身を伏せる美也子。

○ 照永洞。
   洞窟が不気味に月に照らされている。
   満月。懐中電灯と水筒を手に洞窟に入る美也子。

○ 洞内。
   洞窟がずっと奥まで続いている。
   水滴の落ちる洞窟内。
   一人、奥へ奥へと進む美也子。
   コウモリが飛び立つ。
   それに驚き、けつまづく美也子。
   人骨である。
   懐中電灯でまわりを照らす美也子。
美也子「幸太、幸太、どこにおるね?」
   正面に新しい子供のミイラが何体かある。
   美也子、その中から少し焼けた子供の死体を発見する。
美也子「幸太!」