朧木君の非日常生活(6)
「人間は生きることが何よりの職務だからね」
カッケーよ、アニキ。
「かっこよくなんてないよ、朧木くん。それは人それぞれの価値観の違いさ。だから、ある意味差別だね。そう――愛は差別だ」
何故最後にキリスト教を出したんだろう。ま、いいか。
「それにしても、蜻蛉さん。最後の審判はいずれ来るのかな」
「選民思想の餌食になったら、僕と朧木くんは確実に地獄に行くね。ニートだし」
「さっきはニートを正当化してたじゃねぇか!」
気分屋すぎじゃないですか?
「ふたりとも、話が難しい」
鬼火ちゃんは、ぷくぅっと右頬を膨らませ上目づかいで俺を睨んだ。
だがしかし・・・・・・それがいい!!
この表情を一日一回は見ないといけない。
もはや最近の新しい日課になりつつあります。
俺は、その膨らんだ頬を人差し指でつついた。
「ぷっ! きゃははっ、変な音でたね、朧木くん」
カ・・・・・・・・・・・・カワイイ!
「鬼火ちゃん・・・・・・最高だよ!」
俺は、鬼火ちゃんを思わず抱きしめそうになったけど、理性を保った。
作品名:朧木君の非日常生活(6) 作家名:たし