真紅の村
第一章~幽霊の住み着く屋敷~
中に入ると、さっきまでついていたはずの明かりはなくどこからか見られているような雰囲気が漂っている。
「きみが悪いな…。」
そう思いながら、懐中電灯の明かりを頼りに奥に進んでいく。
怖い思いを押し殺し何とか一歩一歩前に進んでいく。
シンジテタノニ…
そんな声が聞こえて振り返るとそこには誰もいない。
「な、なんなのよ。」
今更後悔しても遅い。
唇をかみ締め、何とか折れそうになる心を保っていく。
そんな時、廊下に女性物のバックを見つけた。
ここにくる前の記憶がよみがえる。
『でも、なんか赤無村にいったやつらが帰ってこないってネットじゃ有名だぜ?』
『馬鹿、そんなのデマだって。』
『そうそう、行って帰ってくればいいのよ!』
「まさか、ここに迷い込んだ人の…?」
そう思いながら、そのバッグに手を伸ばした。
そこには、携帯電話と財布、化粧ポーチが入っていた。
携帯に触れているといきなり携帯が鳴り出してミナトは小さく笑顔を見せた。
もしかしたら、この持ち物の人が電話をかけているかも。
そしたら、一緒に二人を探して帰ろう!
「もしもし…。」
携帯のボタンを押し声を出す。
「モシモシ…。」
そこには、機会音の入った不気味な声が聞こえていた。