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しん よしひさ
しん よしひさ
novelistID. 17130
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たかが映画、されど映画

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プロヴァンスの贈りもの

 2006年アメリカ

監督 : リドリー・スコット
出演 : ラッセル・クロウ、アルバート・フィニー、フレディ・ハイモア、マリオン・コティヤール
脚本 : マーク・クライン
原作 : ピーター・メイル

 原題は「A Good Year」
ワインの「当たり年」の意味だとか。
確かにワインとぶどう畑がこの作品の大きなファクターだけれど、「南仏プロヴァンス」とそこに暮らす陽気な人たちが作品の主体。
(原作者は、『南仏プロヴァンスの12か月』のピーター・メイル)
特にマリオン・コティヤールは、最初に登場する自転車のシーンから魅力がはじけています。
ティム・バートン監督の『ビッグ・フィッシュ』でハリウッドデビューした彼女は、当時から印象深かったけれど、この作品の酒場女役は、輝きと情感で溢れる程の存在感を示します。
劇中に流れるアメリカンポップスのフランス語カバーも選曲が良く、ラストの「ビキニスタイルのお嬢さん」のフランス語版なんて初めて聴きました。
いい女と、愉快な音楽と、謎めいたブティック・ワインと、プロヴァンスの陽の輝き。
「他に何がいるんだい、人生に」と云わんばかりのリドリー・スコット監督の演出は、リドリー作品には珍しく、善人しか出てこない、とても幸せなハートフルな傑作に結実しています。
 伯父の財産を処分するために訪れた懐かしのプロヴァンス、そこで蘇る少年期の情景に、失くしてはいけない人生の意味を見つけてゆくロンドンのやり手トレーダー、という役割を、行き詰った数学者顔風のラッセル・クロウが、なんとも軽妙に魅力的に演じています。