たかが映画、されど映画
シャーロック・ホームズ
2009年アメリカ監督 : ガイ・リッチー
出演 : ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウ、レイチェル・マクアダムス、マーク・ストロング
脚本 : マイケル・ロバート・ジョンソン , アンソニー・ペッカム
コナン・ドイルのホームズにインスパイアされたライオネル・ウィグラムのコミックが原作。
このコミック版は、二人とも滅法腕っ節が強くガンさばきもお手のものと、ドイルの描くオリジナルを大幅に改変しています。
ワトソンくんはなかなかの権威者然だし、ホームズの数学的頭脳のキレはあの「灰色の頭脳」ポワロを超えるかもと思わせます。
死んだ筈のブラックウッド卿が生き返り、何度も二人に危機が訪れるという展開の速さも、とても心地よい出来です。
リズムがラストまで途切れずに持続し、時間軸の移動も手馴ていてあざやかなものです。
セットも豪華、CGも的確、音楽も優秀、久しぶりに云うことなしのプロの仕事を堪能しました。
このコミック版のホームズの、人嫌い、外出嫌い、片付け嫌いを見ていると、島田の「御手洗潔」がダブってしまいます。
御手洗もドイルの「シャーロック・ホームズ」が手本ですから、同じ手本から似たような変人が二人生まれたというワケです。
(御手洗を、本木雅弘あたりをキャストに映像化すると面白いのに)
こちらのホームズはモリアーティ教授を相手にした続編が予定されているそうですが、本作を上まわる手抜きのないスーパー活劇を期待していますよ。
作品名:たかが映画、されど映画 作家名:しん よしひさ