たかが映画、されど映画
きまぐれロボット
2008年監督 : 辻川幸一郎
出演 : 浅野忠信、香里奈、逢坂じゅん、夏木マリ
脚本 : 佐藤佐吉
原作 : 星新一
音楽 : 小山田圭吾
身の回りの世話をさせるためにロボットを購入した人間嫌いの小説家エヌ氏、 なんでもできるロボットを連れて離れ小島の別荘に出かけたお金持ちのエヌ氏等、本来意思を持たないロボットの周りで勝手に翻弄されていく人の滑稽さを綴った星新一のショートショートを映像化したもの。
面白いデス。と、言うより傑作。
短い短い原作をよくもまあ勝手に膨らませて、こんな無茶苦茶な設定の色っぽい話しにしたものです。と、文体まで怪しくなってしまいます。
一言も喋らず、表情も変えない夏木マリに代表されるような、なんとも、可笑しくて哀しくて切なくて愛おしい作品です。
30分と短いけれど、120分あっても描けない人の孤独がよーく表されています。
全編モノクロなのですが、ラスト・カットの香里奈だけパートカラーにするとか、もっと一捻りしたくなるような、遊び心を触発されるような作品でもあります。
作品名:たかが映画、されど映画 作家名:しん よしひさ