小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

参加コミュ「短編家企画」作品集

INDEX|5ページ/12ページ|

次のページ前のページ
 


十数年前、夏休みを利用し秋田の親戚に泊まりに行った際出会った彼女。
8歳の俺は、ほんの少し年上の彼女を見るなり驚いた。

真っ黒に日焼けした俺とは対象的に、透き通る程の白い肌に…
その頃は確か言葉を話せていた。


8歳のガキの俺は、出会った彼女に驚いた事などどこ吹く風。
何も考える事なく田舎を満喫していた。
何処までも透明な川で泳ぎ、広大な山々を駆け回っていた。

汗だくになった俺を、彼女は夕方早めの風呂に入れてくれた。
狭い田舎の湯船にお互い浸かる。
彼女の少し膨らんだ胸…その真ん中に生々しい傷があった事を思い出す。

そして、風呂で言った悲しい一言も…
「私の事、忘れないでね」
複雑な表情で言った彼女の顔。

後で聞かされたが、彼女は病気がちで何時死んでもおかしくないと…
その彼女は一部の感覚を失いはしたが死を免れ目の前に居る。

俺のターゲットとして。
そんな彼女に死神の如く近付く俺はいったい…


彼女も俺に気付いたのか、まばゆい眼差しをこちらに向け「私の事覚えている」そう、伝えてきた。
「覚えています…」
俺は在り来りなかえしで、ほんの少し彼女と立ち話をしてから、最後にメルアドを交換し別れを告げた。

その日のうちに、彼女にメールした。
俺の心情…そして、裏切りの内容。
幼い頃の俺を知る彼女が、メールの内容を信じてくれるか複雑な思いだった。
だが、信じてくれる事を願い。