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参加コミュ「短編家企画」作品集

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俺は、逃走経路を確認する為下町の細い路地を歩いていた。
ふと、左側を見ると駄菓子屋が目に映り懐かしさのあまり足を止めた。

夏休みとあってか、子供達が蟻のように玩具やお菓子に群がって居る。
その一画に色鮮やかな夏の風物詩が、所狭しとばかりに並べられていた。

俺はその一つを手にしようとした。
その時、目の前にターゲットである彼女が現れた。

しまった。
まさか、こんな所に彼女が現れようとは予想外だ。
SPも何故外出を許す。

しかし、SPは二人。
此処でやろうと思えばやれる…
どうする。


考えを巡らすなか、彼女は申し訳なさそうな顔を俺に向ける。
取ろうとした商品を一足先に彼女が手にしたからだろう。
だが彼女は言葉にする事なく、手を使って何かを仕切りに表現しようとしていた。
手話!

「ごめんなさい。懐かしさのあまり、つい手に取ってしまったもので…」
そう、表現していた。
彼女のその表情と仕草を見た刹那…
俺の記憶の中にあるその表情に思い当たるものがある事に気が付いた。