東西異同
俺があそこの寮が嫌な理由はあの関西弁をまくし立てるオバサン達の存在で、コイツも関西人で、ってことは家賃払わなくていいってことで、でもその代わりコイツの分も家事しなきゃなんないってことで、いやでも何かコイツは大阪人なんだけどそんなにイライラしねーってか、でもやっぱ関西弁はカンベンしてほしいのもホントだし、あーでも家賃ナシはデカイしな……ちょっと待てよ、もしかしたら光熱費やら食費も折半したら相当安くなんじゃねーの。
「……おーい」
ヒラヒラと手を俺の目の前で振るコイツの手をガッと勢い良く掴む。
「……家賃ナシってマジか」
「え?あ、うん。ナシナシ」
「高熱費は」
「払わんでえーよ。どーせ勝手に親の口座から落ちるよーになっとるし」
「……わかった」
上等だ。家事くらい、やってやろーじゃねーか。