完結してない過去の連載
亀は佑介の言う通り案外つぶらな瞳だった。
でも佑介が言うほど可愛くもなかった。
母さんが帰って来る前になんとかしなきゃ。
…あいにくこっちは亀の飼い方なんて何ひとつ知らないのだ。
(そういえば…)
こいつはどのくらい大きくなるんだ?
今でももう30cmぐらいあるのだ。
俺は亀の年齢なんかちっともわからない。
もしこれ以上でかくなってしまったらやっぱりこっそり捨てにいかなくちゃ。
(…気の毒な亀)
人生で二度も捨てられてしまう(かもしれない)なんて。
人間は勝手だって言うけど、
いい感じの体長で成長を止めるっていう進化を飼われる側もしてほしい。
結局亀は適当な青い容器に水が浅く入ったマイホームを手にいれた。
作品名:完結してない過去の連載 作家名:川口暁