花少女
妹の体調が崩れたのは、去年の秋の暮れだった。初めはただの風邪だろうと家族皆が思っていたのだが、どうやら相当具合が悪そうだったために医者に診せに行ったところ、すぐにたくさんの検査を受けさせられ、軽い肺炎を患っていることが判明した。しばらく入院して安静にし、栄養を取っていれば大丈夫とのことで、その次の週から妹は、ここに入院することになったのだ。本人は、入院すること自体よりもそれにかかる金銭的な方面を心配していたようだったが、彼女が心配するほどの出費は、今のところなされていない。妹はそのままここで年を越し、もうそろそろ春を迎えようとしている。