詩集 『天―AME―』
『きみへ』
朱鷺色の淡い旋律
止まることもなく流れる砂時計
重ねた手の暖かさは忘れることができない
幾年交わした約束
果たされぬモノだと知りながら
笑顔で見送ったあの日
何度君の名を呼んだろう?
言葉にできない思いが溢れて
それでも形に残そうともがいた
君といた時間を確かにするために
君の優しさに救われた
君の笑顔に癒された
君の言葉に学んだ
誰かといる時間も君の顔がちらついて
頭から離れない
この空を飛ぶよ
君を護る風になるよ
誰かのためではなく
君の笑顔を護るために
どうか泣かないで
どうか幸せでいて
僕は風になるんだ
風が君を護るよ
だから
生きていて
作品名:詩集 『天―AME―』 作家名:柳 遊雨