日出づる国
狩猟編
1万数千年前の氷河期には、ユーラシア大陸と北日本とは陸続きだった。
太陽の明るさと暖かさを手中にせんと欲し、朝陽なら手が届くだろうと、ひたすら東に向けて旅を続ける人たちがいた。
陸地の東端に達した時、太陽は海のはるか遠くにあることを知り、緑あふれる大地に定住を求める部族と、やはり太陽を手に入れるために、氷の大地へと向かう部族に別れた。
後者の者たちは、北米や、南米のアンデス地帯で、自らの王国を築いていったのである。
一方残った者たちにとっては、緑の大地ではあったが、500メートルを超える高さになると、夏でも雪と氷におおわれた世界であった。