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妖怪の杜

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シンドローム(3)




♪ジャンジャンジャンジャジャジャン…
「うわっ、びっくり」
私の携帯がリビングから響き渡る。
集中してる時に電話するのは誰よ…
仕方なしに東狐の部屋を出てリビングにある携帯を手にする。

「誰…」
(僕だけど…)
あら、可愛い我子からだった。
「どうしたの」
(見てたでしょ)
「何?見てないわよ」
クソ、気づいていたかクソがきめ。

(気配感じたんですけど…)
「気のせいじゃないの」
(あっそう。まあいいけど…とりあえず今日は達也ん家泊まるから)
「あらそう。あっ、でも、もしかしたらフラッシュバック現象かもよ。
その、メールの内容見て昔の事を思い出して自分を気づかないうちに傷つけてるのかも」
(やっぱり、見てたじゃん)
ハッ、しまった。なんて間抜けな私。
こうなったら仕方がないか。

「まあ、いいでしょ。心配だったのよ」
ふふっ、ちょっと母のそぶりアピール!
(それで、母ちゃんはどう思うの。それと、虎とか馬って何)
ちっ、まったくもってのアピールがいのない、クソ息子め。
トラウマも知らんがきのくせに…

「トラウマは過去に負った心の傷の事よ…そうね、もし達也君が心の病気の場合はあんたの出番はないかもね。達也君家族の問題になるから、あんたは何も言わずに帰る事。かな」
(ふ~ん、何となく解った。今日様子見て明日また電話するね)
何となくかよっ、大丈夫かな本当に…でも、こればかりは東狐本人が経験しないとね。
「まあ、いいでしょう。じゃあ、達也ママには後で私が連絡しとくよ」
(うん、それじゃあね)
「はい、バァイ」

どちらにせよ、辛い事だよね。
今夜は徹夜になるかな…


作品名:妖怪の杜 作家名:槐妖