妖怪の杜
母と息子
「って事で…あんたの父親の印象は最低最悪で幽霊かよって感じだったのよ。解った?」
金髪で勾玉のピアスをした我が馬鹿息子に父親との出会いを語ったものの理解出来たかどうか…
「ふ~ん、母ちゃんの話は何時も支離滅裂だよな。お化けって」
やっぱり、理解出来てないか馬鹿息子。
「母ちゃん言うな。ママと御呼び!たく、あんたって子は母親を馬鹿にすんじゃないわよ」
父親そっくりで高飛車な息子は呆れた眼差しを私に向ける。
「だって、チャライ男で幽霊…第一印象最悪でなんで僕が此処に存在する訳。繋がりがないよ」
チッ、10歳のガキのくせしてマセた奴。
「まあ、その話は何れ詳しく話したげるから…それより、あんたその髪染めない。それとピアスも止めてくれると世間的に私は助かるんだけどな…しかも、あんたさぁ父親似で目がジェード色だし、目立つでしょ。だからさ」
私はプライドを捨て、10歳の馬鹿息子に懇願してみる。が、聞きゃあしないだろうな。
「嫌、髪は自毛だし、ピアスは父ちゃんから預かったモノだから今更やめる気はない」
やっぱりね。
こんなんで、貴方が言った通りこの子が行動してくれるのかな?
もう、早く帰って来て京吾。
私には手に負えなくなってきたぁ~