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鬼城 地球
鬼城 地球
novelistID. 15205
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妖怪警察

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授業後、六時間あった授業は全然頭に入ってこなかった……たとえ黒さんがいたとしても頭には、妖怪が教室に入ってこないことを祈る自分がいっぱいで頭に授業の内容を入れる隙間なんてなかったからだった。

鞄に教科書を入れてた時、暗井が僕のところにきた。

「今日掃除当番じゃねえから一緒に帰ろうぜ」
「うん、黒さん帰ろう」
「誠、今外に出たらやばい」
「どうして?」
「外からものすごい妖力を感じる」
「妖怪か?」
「ああ、それもやっかいな妖怪だ」

ピシャッゴロゴロ……

いきなり、雷が落ちた音がした。

「びっくりしたー雷かよ」
「あれ? 今、雲一つもないよ?」
「もう来やがったか、暗井! 誠と手をつなげ」
「お……おう」

黒さんの表情がいきなり険しくなっていて、さすがに暗井もその見幕におされて僕の手をとった。

「今からお前らの姿を妖怪から見えないようにする、いいか誠絶対に暗井の手を離すなよ!」
「もしかして……敵が来てるの?」
「ああ、しかも反妖怪政府組織のリーダーだ」
「反妖怪政府組織のリーダー!?」
「……雷でわかるようなやつなの?」
「あいつの別名は【白の迅雷】って言ってな、雷とともに現れるからそう呼ばれてる」

黒さんは暗井と僕の手のつながってる部分にお札みたいなものをつけた。

「これでお前らの姿は妖怪からは見えねえ、あとは動かないことだ」
「黒さん」
「なんだ?」
「死なないでよ」
「そりゃこっちのセリフだ、お前らも死ぬな」

 そう言った黒さんは僕と暗井の前に立って【黒迅】を構えた。

 カッ! ゴロゴロゴロッ!

 さっきより近くに雷が落ちた音がした、その直後僕は感じたこともない鋭い殺気を感じた。

「黒さん、確実にこっちに来てるよね?」
「ああ、来やがったぜ」

教室に現れたのは、白髪の男で顔が黒さんにそっくりだったけど第三の目が開いていたし、雰囲気も黒さんとは違って殺気だけしか感じられなかった。

幸いクラスメートはもう部活やら帰宅していて教室はからだったから、犠牲はでない状況だった。

「よくここがわかったな白」
「気配を出してたのは黒兄のほうでしょ?」
「兄弟を逃がす情もねえのかよ」
「あるわけないでしょ、黒兄が僕らを裏切ったんだから」

 話のやりとりを聞いていてわかったことは、白髪の男の名前が白ということと、その白さんが黒さんの弟だということ、そして今ここに来たとなれば白さんが反妖怪政府組織のリーダーだということがわかった。驚きたいところだったけど白さんに見つからないために静かにしていた。

「【泣き虫白】が今や恐れられている【白の迅雷】ねえ」
「昔の黒兄ほどじゃないさ、でも今なら越えれる自信があるんだよ昔の黒兄にさ」
「お前の言ってる昔の黒兄はもういねえよ、観念して妖怪牢に大人しく行け」
「黒兄なんか勘違いしてない? 観念するのは黒兄だよ」

 そう言って白さんは背中に刺してあった槍を取り出して、黒さんのほうに槍先を突き出した。

「黒兄がこんなところを最期の場所として選ばないのは知ってるよ、大方噂の三木誠君に姿消しの札でも貼って僕を捕まえるためでしょ?」
「わかってんじゃねえか、なら俺を殺したら誠の居場所が分からねえままで終わるぞ?」
「容姿だけ聞ければいいよ、だから教えて?」
「敵に教えてで教えたら敵じゃねえだろうが」
「やっぱりね、なら死なない程度にこの【白(びゃく)雷(らい)】で血を流してもらうよ」

 その瞬間白さんが目では見えなかった速さで槍を黒さんに繰り出したけど、黒さんは【黒迅】ではらった。それを戦いの開始の合図にして戦闘が繰り広げられた。戦闘の様子は目では追うことはできなかった、でも黒さんが白さんにおされていることはわかった。【黒迅】と【白雷】が重なる音がする度に下に落ちて広がる血の海が黒さん側がやけに広かったからだった。

作品名:妖怪警察 作家名:鬼城 地球