小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ツカノアラシ@万恒河沙
ツカノアラシ@万恒河沙
novelistID. 1469
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

人魚の飼い方

INDEX|4ページ/17ページ|

次のページ前のページ
 

日頃、私の神経を日々脅かす元凶である友人の清廉潔白探偵事務所の所長がどういう風の吹きまわしか知らないが(いや、もしかしたらただの気まぐれかもしれないが)執事の巽(正確には侍男かもしれない。バトラーとヴァレットの差なんぞ、一般市民の私が解るはずがないし、解ったからと言って、役に立つわけでも自慢にもならない)を連れて立っていたのである。この執事は若い男の姿をしている。だが、実は5年も前に、私が初めて会ったときと彼の容姿は余り変わっていない。それどころが、傍から見ると今は私の方が彼よりも年が上に見えるかもしれない。もしかすると彼は、ドリアン・グレイのような秘密を持っているのかもしれない。どちらにしても、正体不明の二人組なのは確かである。
彼らは私の所に遊びにきたのだと言った。余計なお世話である。
「ごきげんよう。警部さん、お元気ですか。それともいつもの通り、お粗末な学習機能なのに、とるに足りないコトに囚われてるんじゃありませんか。どうやら、その通りらしいですね。精神衛生上良くありませんよ。あれ、そんなにあからさまに嫌なカオをするものではありません。ボクが来たからには、あなたの頭にすくっている悩みは一掃されますよ。昔の人も言っているじゃないですか、信じるものは救われる。汝、隣人を憎むなかれ、と。汝を救わんと、ボクはこんな辺鄙な所までわざわざやってきたのですよ。さあ、僕に話してみて下さいな、話してみるのです」
聖玲、弱冠十五才の探偵の名はこう言うのだ。見た目こそ、人形のように綺麗な顔をしているが、その中身はどのように養育したら、こんな風に育つのだろうと思えるくらい変わった人物であった。だいたい、この人物の性別すら解らない。男物を衣服を着ている時は男として振る舞い、女物の衣服を着ている時は女として振舞うのだ。それも、恐ろしいほど完璧に。