ペンギンと暮らす
ペンギンはよく自分の生まれた島の話をしてくれます。フォークアイランド諸島の、名もない小さな島なんだとか。その話をしているとき、ペンギンはとても優しい顔つきになり、普段の攻撃的な用心深さはかけらも見えません。そして、とても嬉しそうです。
ペンギンは、なぜこの日本、それもこの小さな部屋に来たのでしょう。たまたまだったのかも知れません(ペンギンのあの性格を知っていると、その可能性が一番高いような気がします)。逆に、息を呑むような冒険の数々があり、この部屋に辿り着いてからも涙ちょちょぎれるようなドラマがあったに違いありません。部屋に居るのに、バルサン焚かれたり、ゴキブリ狩りに駆り出されたり(だじゃれだって、わかりました?)。
真相は、ペンギンでない限りわかりません。
ですが、わたしはこう思っています。わたしと出逢うためだったと。
なぜなら、わたしとペンギンは運命の恋人ですからね。