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ペンギンと暮らす

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 冬、寒冷な気候に適しているペンギンは活き活きとしていますが、ヒト科・ヒト属のホモ・サピエンスなわたしはいつも身を震わせています。ペンギンに合わせた室温にしていると、毛皮を持たないわたしはどうしても体がかじかんでしまうのです。
電気ストーブもこたつもありますが、せっかく快適な季節なのに、無言で汗をだらだらたら流しているペンギンを見るのは(文句は言ってこない)、どうしても心が痛むのです。
 なので、ストーブのスイッチは入れずに、毛布をかぶり、こたつに潜りこみ、ペンギンをぎゅーっと抱いて暖をとるのが、わたしの冬のスタンダードです。
冬用の毛皮がもふもふしていて、とっても気持ちいい。たっぷり脂肪のお腹(メタボリックではない)がぷよぷよしていて、とっても気持ちいい。一生抱きしめていたい。
そんでもって、寒い日にふたり(一人と一匹)が身を寄せ合うなんて、すごく恋人同士。寒い冬も、甘く暖かい時間で乗り切るのです。

◇思いつき大喜利◇
「彼女の愛とかけまして、テスト前のかばんと解く」
「その心は、」
「どちらも重い」
「最悪だなお前!」

わたしとペンギンは、よく季節のイベントに赴きます。真夏のプールもそうですが、もちろん冬はスケートです。泳げないわたしですが、スケートは得意中の得意です。函館出身ですから、小・中学校でスケート研修があったんですよ。ちなみに、スキー場近くにある学校だとスキー研修になるらしいです。さて、愛しのペンギンは、南アメリカ、フォークランド諸島出身。ペンギンはスケートが出来るのでしょうか。
するとどうでしょう、ペンギンは自分のお腹をブレード代わりに、ツツルーと滑っているではないですか。まるでボブスレーの世界です。
わたしはペンギンを甘く見ていました。
 後日、図書館で鳥類大百科を見てみると、「ペンギンは足が短いのでよちよちとしか歩けないが、氷上では腹ばいになって、すべることができる。」だそうです。うーん、奥が深い。
 でもそれだと、わたしと手を繋いで滑れないね。

作品名:ペンギンと暮らす 作家名:塩出 快