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鏡裏@のべりすと
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novelistID. 9876
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小人さんと13番

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ある雷の日



それはとある夜。
アイスグリーンの短髪を湿らせ自室で音楽を聴きながら本を読む少年。
彼の部屋にはもう一人(?)の住人が居た。
机の上でハンカチサイズのタオルを使ってわしゃわしゃと、濃い黄色の髪の毛に小さな手を上下に動かして拭いている。
「ふぁ~」
黄色い髪の毛とは対照的な青いタオルを動かす腕が疲れたのか頭にタオルをかぶった状態でちょこんと胡坐を書いて座る小人。

バチンッ! 

音を立てて少年の部屋は真っ暗になった。
「うわぁっ!!」
少年はうつらうつらとしていた意識を小人から発された声で取り戻す。
「へ、あれ? 真っ暗・・・」
「な、ななな、なんで明かりがいきなり消えたんだよっ!!!」
暗闇の中で小人は大きな声で少年に叫ぶ。
「ん~、どうしてかな」
少年がブレーカーかも、とつぶやくと遠くで轟く音が聞こえる。
小人は机の上でタオルの端を握り締めてびくっ、と飛び上がる。
「な、なんだあの音っ!」
「あぁ、明かりが落ちたの雷の所為か」
「だっから、あの音!!」
「雷だって」
少年は冷静に返事をするとヘッドホンを外して立ち上がる。
「そのうち電気はつくから大丈夫だし、俺ちょっと飲み物取ってくるから」
そういって部屋を出て行こうとすると窓からのぞく空が光り轟音が続く。
「うぎゃぁぁ!!!」
音に驚き小人はタオルで隠しておびえる。
「ちっこいの、大丈夫か?」
「だ、大丈夫じゃねぇよ!! じっ、13番たっ、たすけろよっ!」
「助けるって・・・」
「13番はおっ、俺様よりでかいんだから!」
小人の無茶振りに少年は眉間にしわを寄せて悩む。
「じゃ、とりあえず一緒にくるか?」
少年が小人に手を差し出すと小人はタオルを放ってがばっ、としがみつく。
「よし、じゃあ行こう」
そうして少年は小人をポケットに収納し、扉を開いて目的の場所(冷蔵庫)まで向かうのだった。

「何か飲む?」
「・・・・・・お、オレンジ」
「あったかなー?」

後日、小人が「命の恩人!」と騒いで少年は迷惑そうな顔をしましたとさ。