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朧木君の非日常生活(4)

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 「朧木くん、あれが何かわかるかい?」
 懐中電灯で照らされたのは――何羽もの鳥
 鳥・・・・・・?
 なぜ、鳥がいるんだろう。
 そして蜻蛉さんがわざわざ聞いてきたってことは、何かしらの理由があるはずだ。
 「鳩だよ、朧木くん」
 「鳩?」
 「そう、鳩。こんな夜中によく起きているもんだよ、全く」
 「鳩はおいしい?」
 「分からないや、ごめんね、鬼火ちゃん」
 鬼火ちゃんが、話すことが今の俺の気持ちを落ち着かせる。
 ありがとう鬼火ちゃん。
 あの時、出会ってくれてありがとう。
 あの時、二人は嫌って言った俺を殴ってくれ。
 「鳩はね、神使として昔から親しまれてきたんだ。そして磁場の狂った所によく集まる」 
 磁場が狂った場所。
 ――そう
 「神域」
 ついに目的地。
 「ここから先はどうなるか、僕にもわからないよ」
 ・・・・・・・・・・・・・・・あれ?
 ふとそこで違和感に気付いた。
 何かがおかしい・・・・・・・・・何かが。
 「・・・・・・蜻蛉さん!」
 何故気付かなかったんだ。
 「どうしたんだい? 急に大声出して」
 こんな重大なことに。
 いや、重大どころではない。
 もう一度辺りを確認し、違和感の正体を確かめた。
俺は、大きく一回深呼吸をした。

作品名:朧木君の非日常生活(4) 作家名:たし