ツインテール探偵くるみの密室
「見て」
くるみが指さした。まっさらな雪の上に足跡が続いていた。校舎からミステリーハウスと呼ばれるプレハブの部室まで一直線。
「だれか先に来てるみたいだな」
「来てないかもよ」
なにを期待してるんだ。
ミステリーハウスに入ると、探偵事務所の前のスノコがどけられ、女子生徒がうつ伏せに倒れている。近寄ってみると、海東歩美だった。くるみに挑戦すると宣言したばかりだ。あやしすぎる。
「ワトちゃん、歩美を保健室まで運んで」
「え、ああ」
くるみに背負わされた。
「わたしは襲った犯人を探す」
歩美はなにも言ってないだろ。
作品名:ツインテール探偵くるみの密室 作家名:へぼろん