ツインテール探偵くるみの密室
校舎の出入り口に移動して、くるみの推理が始まった
「朝見た足跡は、歩美が密室トリックを仕込んでいるときのものだったの」
そう言って、釣り糸を垂らしながらミステリーハウスに向かった。
「雪が積もっていたから糸は見えなかったはず」
窓の前に立って、釣り糸を中に入れる。
「窓の下の雪も糸を隠すためよ」
ミステリーハウスに入り、外から入れた釣り糸を傘立てで隠した。
「あとはスノコをどけ、釣り糸を持って寝転ぶの」
事務所の前で、くるみがうつ伏せになった。
「寝転んだのはどうして?」
栞さんが訊いた。
「制服を汚すためよ」
俺たちはきょとんとしていた。
「ワトちゃんのコートを汚すのが目的だったの」
「くるみが言わなければ背負うことはなかったんだぞ」
「わたしの優しい性格をうまく利用したのよ」
栞さんと歩美が顔をそむけて、肩を揺らせていた。
作品名:ツインテール探偵くるみの密室 作家名:へぼろん