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The Over The Paradise Peak...

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 副コンピューターを呼び出し、主計プログラムがはじき出した数値を見てディナの口元が再び歪む。
 戦闘開始後僅か数分で約四万ドルの売り上げ。退避したヘリが戻って来なければ、更に二万ドルにはなる。撃墜の確認が出来れば合計八万ドルだ。

 たった一撃で部隊内の“本日の売り上げ”ランキングのトップに躍り出るディナ。

 とは言え、装弾筒付有翼徹甲弾は高価(今の一連射で二〇〇〇ドル以上)だし、戦闘後にはそろそろ銃身の交換(一本三万ドルを超える)も必要である。

 機体の維持費やローンにメンテナンス等の費用は契約に含まれているが、通常の武器弾薬(12.7㍉MPもしくはAP弾及び、装甲歩兵用アサルトライフル)以外の使用は自腹だし、カスタマイズした分の消耗品や交換部品等の費用を考えればまだまだ全然足りない。
 
 実際アーマー同士の格闘戦でもした日には、あっという間に借金地獄(なのに状況次第で頻発する)だ。

 ミニガンの弾薬が機動歩兵装備から融通して貰えていなければ、こんな辺鄙な戦場では赤字になりかねないのである。

 とにかく、この手の機動兵器は金食い虫なのだ。
 稼げる時に稼がなくてはやっていけない。

 索敵画面上の二〇を超えるHVT(=Hi Value Target、傭兵にとっては文字通りの高価値目標である)を確認したディナの瞳が妖しく輝く。

「――全部私達が頂くわ。いくわよラケシス!」

 ディナの、いや、ディナ達の仕事はこれからが本番のはずであった。