プライベート・ライアン
ビルマの竪琴
最近の「ランボー」なんかを見ると
ミャンマー(元ビルマ)ではエライことになっているが、
あの市川昆の映画の切ない部分は
「みんなで日本に帰ろう!」というシーンで。
太平洋戦争時、フィリピンにいたらしい長老の仲間たちは日本に帰ってきた。
しかし、あまりに時が経ちすぎていた。
***********************************
宮司が私の目を気にしてか、長老に尋ね、話をそらそうとする。
それじゃぁ、戦後は国鉄はタダで乗り放題でしたねぇ、と切り出す。
そうよ。国鉄タダだったな。いろんなとこに行ったよ。
九州にも行ったよ、湯布院か。よかったなぁ~。
青森も行ったな。津軽海峡な。行ける所は全部行ったな。
ビっこ引きながらよ。
海外も行ったよ。スペインっていいところだ。
カチャカチャやって踊るやつ。
・・・フラメンコ?
おう。アレ踊る女は綺麗だなぁ~。
あんな綺麗なオンナ見たことない。
スペイン娘ですか、憶えときますわい。
おう、スペインはいいよぉ。うん。
オレはヨ。フイリッピン(発音まま)はヨ。
毎年行ってたんだ。毎年。
いきなりよう、肩口から斜めに、こう、撃たれたんだぁ!
(以下、同じハナシなんで中略。)
作品名:プライベート・ライアン 作家名:平岩隆