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隠れ森のニジイロトカゲ

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それがグラバールのことを気にしてなのか、それともここに来るまでに、その少女が自分と同じように、いつもひとりぼっちだと聞いたからなのか…。
どちらにしても、ミゾーはマッドタスクを呼ぶどころか、恐れ沼の側にある切り株に、少女と二人で腰掛けたのです。

 「キミのカラダ、きらきら透けていて変わってるね。」
 「少しだけ、触ってもいい?」

 「うん。いいよ。」
 「それに、あなたのカラダも虹色でとてもキレイだよ。」

こんな会話をしながら、ミゾーがその少女の手に触れた時でした。
突然、少女の体はキラキラと輝き始め、それに応えるかのように、ミゾーの体も虹色に輝いたのでした。
少女はビックリして、座っていた切り株から立ち上がろうとしました。

 「キミも、光の街の者…?」

しかしミゾーはそう呟やいて、触れた少女の手をしっかりと握ったのです。
“光の街の者”、少女にはそれが何か解りませんが、握られたミゾーの手の温もりだけは、ハッキリと感じていました。

 「あなた、優しいんだね。」
 「とってもあったかいよ、この手。」

東のビースという街からやって来たその少女の名は、クリスタルバニーと言いました。

クリスタルバニーは、光の街では、下界を照らす者としての大変に重要な役割があります。
しかし下界にやって来たクリスタルバニーは、あまりの孤独な毎日に耐えられなくて、いつしかそんな自分の使命も、自分が光の街の者だということも忘れてしまっていたのでした。