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ぐるぐる廻る、僕らと僕と・・・。

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でもちょっと気になったのが最後の転んでもってどういうことだ?。
「えっとじゃあ、饅頭食べられなくなるのとは?」
「………………………………………」
迷ってるっ!?。紅葉さんすっごく迷ってるっ!?。
死ぬよりも大事なのか?。
うーむ……………まっ。
別に本人が良いなら僕が無理強いをする必要もないので、それ以上は言わないし、言う必要もないか。
「…………………ん?。何やってるの?」
なぜか紅葉は僕の上からなかなか降りない。
しかも小さく縮こまって。
「寒いって言ってるでしょ。暖まってるの」
「服着ればいいじゃん」
「うるさい。冷たい空気に馴れるてるの。黙って暖まらせなさい」
「はあ?、別にいいけど」
ふむ。
このきつい口調が紅葉の性格だ。
命令口調というか何というか、いつもなんとなく不機嫌そうな顔をしている。
別に嫌いじゃないんだけどね、慣れとかそれ以前の問題で。
それから紅葉は、少しの間僕で暖をとってから、足の上から降りる。
「ん〜。」
もう1度、今度は手を上に挙げて伸びをする。
だけどそんなことをするとキャミソールの裾が持ち上がって、またお尻とかが見えそうになるというか見えている。
まあ僕からすると、別にそれぐらいで欲情することもなく、ただ寒そうだなぁと感想を持つだけだ。
うん、良い足してるなぁ。
「……………………うん」
紅葉は簡易ストレッチを終わらせると、首だけ僕の方を向いた。
「コウ、今すぐ着替えるから待ってなさい」
「うん」
そう言って僕は立ち上がり、部屋から出て外で待つことにぐぇっ。
僕の服が僕の首食い込む。
どうやら紅葉に襟を掴まれたようだ。
しかも結構思いっきり。
みんなぁ、絞殺するときは血管を止めるように上向きに締めるんだぜぇ
「なに?」
若干の息苦しさを感じながら、僕は紅葉の方に振り返る。
「此処で待ってなさい。」
不機嫌そうな顔で、僕に言う紅葉。
「?、うん」
紅葉にそう言われたので、とりえず僕は壁に持たれて紅葉の着替えを待つことにした。
「…………………………」
それから、何となく紅葉を見ていると、紅葉はクローゼットからまず下着を取り出して、キャミソール脱いだ。
この時点ですでに裸なので、非常に寒そうな中取り出した下着を着て。
それから次に黒い靴下を履いて。
上半身にカッターシャツを着て、赤紫色のリボンを留め、ブレザーを羽織りボタンを止めて、スカートを履いて、ほら。
制服の出来上がり。
そして、黒く長い髪の毛を軽く櫛でといて。
着替えを終了。
……………………。
うーん。
和服もいいけど、こういう服もなかなか似合うなぁと思ったり。
マニアックな意味はないよ。
自信はないけど。
「コウ」
紅葉が僕に話しかける。
「なに?」
「なんかじっと見てるから」
「う。」
「どこか変なら言いなさい」
そう言って紅葉は、1度回転して全体を僕に見せる。
だけど、もともと僕はまったく違うことを考えていたので、思ったことを言うことにした。
「別に。ただそう言うのも似合うけど、やっぱり和服がいいなぁと思っただけだよ」
やっぱり紅葉は和服が1番だ。
「私、和服嫌い」
だけど紅葉は嫌いだったようだ。
ちょっと残念。
「なんで?」
「着付けが面倒くさいからよ」
なるほど。
非常に分かりやすい答えだ。
確かにあれ、帯とか結ぶの大変そうだしな。
でも最近は初めから出来ていて止めるだけのやつも………………。
まぁ、あくまで僕の好みだし。押しつけるのもあれだから。
その辺は、個人の好き嫌いによりけりで。
「そんなことより」
紅葉は、相変わらずなんだか不機嫌そうな顔をして言う。
「朝食でしょ?」
「うん」
僕は、紅葉の着替え終了したのを見計らってすでに立ち上がっているので、そのまま近づいていく。
「ならさっさと行くわよ」
「うん」
僕は頷き、先に部屋から出て扉を開け、それから紅葉が外に出る。
そして僕が扉を閉め、階段を降り、僕らはリビングへと向かった。





<3章=いってきます>


「ごちそうさま。」
僕は朝食を食べ終え、両手を合わせて食後の挨拶をする。
かつくんはもう食べ終わってるし、ももちゃんとみみさんももうすぐに食べ終わりそうな雰囲気だ。
そして、その他1名。
・・・・・・・・・・・・・・さて。
よこっらしょーいち。
「紅葉。」
「なによ。」
紅葉は憮然とした表情で返事をした。
僕はそれに、極限の優しさを込めて、
「魚の骨、取ってあげようか?。」
そう言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「まかせとけ。」
紅葉のお皿の上にある魚を、僕の方へと寄せる。
「10秒以内にやりなさい。」
制限時間がついた。
しかも意外と短い。
出来るかなぁ。
「あー。」
と間延びした声が聞こえてきた。
「なぎちゃんまたこーくんに魚の骨取ってもらってるよ。駄目だよー、日々の練習が将来へとつながるんだよー。」
魚の骨って、そこまで深い意味があったのか。
初耳だ。
まっ、それにももちゃん、確かに手先器用だもんね。練習の成果なんだね。
「うるさい草加。私はこんなこと出来なくてもいい。」
「えー、出来た方がきっといいよー。便利だよー、就職にも役立つよー。」
どこの会社の就職に役立つんだろう?。
ちょっと気になる、けど。
まぁ、どうでもいいことさー。
「いいんじゃない別に、本人が特に問題に思っていないんだし。」
みみさんが、紅葉に助け船を出した。
「そうだ。そんな事ぐらい出来なくても生きていける。」
なんだか人類の命題のように紅葉は言っているがそりゃそうだ。
それで生きていけなかったら紅葉はすでに、死んでいる。
「よし出来た。」
そんなこんなでも僕の腕はずっと動き続けていたのさ。
さて何秒だ。
「駄目。2秒過ぎたわ。」
厳しい。
「ごめんごめん。でもほら、はい。」
そう言って僕は、骨を取った魚を紅葉の前へと返す。
それを無言で受け取って、紅葉は魚を食べ始める。
しかも頭から。
いい食べっぷりだ。
「うっ!?。」
「うん?。」
だが突如して紅葉が唸った。
「え?、ちょ、紅葉、何?。痛い痛い、叩かないでくれ、ほら、どうしたの?。」
紅葉は半分くらいまで囓った魚を置いて、さらに不機嫌度の増した表情で僕の方を見る。
というか睨む。
非常に鋭い眼光だな、うん。
「骨が残ってた!刺さった!、この、馬鹿、阿呆、頓馬、屑、愚図っ!!。」
「ごめんなさいごめんさい、とにかくまず箸で刺すのは止めてください。」
あんまり力加減してないのか痛すぎる。
そのうち刺さりそうだ。
これは今朝の続きなのか?。
「案山子!、手を抜いてるんじゃない!!。」
最後にそう言って僕の頭を叩き、紅葉は止まった。
案山子ってどういう意味だろう?。
「ごめん。まだ骨刺さったままなの?。」
「そうよ!、早く取れっ!。」
紅葉は口を開け、中を僕に見せる。
「失礼しまーす。」
そして僕は、紅葉の舌を指で押さえ、歯並びのいい口の中を軽く見渡しおっ、あったあった、骨。