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ぐるぐる廻る、僕らと僕と・・・。

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半眼で、今にも僕を刺しそうな勢いで睨んでいる。
それに大して僕は爽やかな笑みを浮かべたりは出来ないけど、聞いてみた。
「名前、何て言うの?。」
「はぁ?。」
僅かに口を開けて、呆れたような顔をしている女生徒。
初めの勢いは、完全になくなっていた。
それはともかく、公衆の面前で堂々とナンパを敢行した僕はというと、その顔を真顔で見返していた。
「・・・・・・・・・・・・・・高桐。」
「ん?。」
「高桐真梨子よ。」
「そう。で、その高桐さんは僕から何を聞きたいわけ?。」
気づくと、高桐と机とのコミュニケーションは失われていた。
けど机は文句1つ言わないので、新たな趣味にでも目覚めたのかも知れない。冗談ですけどね。何だか親近感が沸いたよ。
「・・・・・・・・・・・・・あんたが一哉を殺したの?。」
少しの沈黙の後、高桐は僕に初めとは違って幾分落ち着いた様子で聞いてきた。
僕はそれに答える。
「何ともいえないよ。」
「?。どういう意味?。」
「だって、今此処で僕が一哉くんとやらの殺人の有無に対して否定の意を返しても。そんなもの証拠もなにもないだろ?。否定したって君が僕に向けている疑いが晴れるわけでもないし。だから何とも言えない。君が心の底から納得できるような答えを、僕は持っていないから。」
と、長ったらしく詐称まみれの言葉を振りまいてみた。
実際は、曖昧に誤魔化しただけだけど。
それでもきっと、こういう子には。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
僕の答えに、高桐は渋い顔をしている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ。」
なんだかため息をつかれた。
呆れられてるのかな?。
「それじゃあ、あの時一哉とは何を話していたわけ?。」
「ん?、見てたんじゃないの?。」
僕のその疑問に対して、高桐は首を振る。
「見てたけど、ずっとじゃないのよ。私は、ちょっとそっちの方に用があって、たまたま見かけただけで、すぐに普通廉の方に戻ってきたから・・・。」
と微妙に言葉尻を濁す高桐。
どうでもよくないけど、どうやら僕はお弁当食べられないようだ。時間的に。
残念。後ごめんね、ももちゃん。
「・・・・・・・・・・・・・んー、でもそれはなぁ。ちょっと答えられないね。プライバシー的に。」
後僕の都合的に。
「どういう意味よ。」
「彼のプライバシーに関することだからさ。ほいほい言いふらす訳にもねぇ。」
実際は、面倒なだけだけど。
それに、ね。
「何となく分かるんじゃない?。高桐さんって、このクラスの人でしょ?。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
僕のその言葉に、高桐は一瞬眉を寄せ、だがすぐに僕の隣の席にいる人物を見た。
そして、何だか、苦々しくその表情は歪んだように見えた。
ふむ。適当に言っただけなのだが、どうやら周知の事実だったらしい。
モテモテだねぇ、紅葉。
「・・・・お。」
と、そこでようやくというか、昼休み終了の鐘がなった。
鐘と言っても、録音してスピーカーから放送したやつだけど。
僕は、紅葉と自分の分の弁当箱を持ち上げる。
「じゃ、僕は戻るね。」
と紅葉に告げ、返事はないけど、そのまま出口に向かっていく。
来たときと同様、視線が僕を追っていく。
それを特に気にもせず、僕はドアを開けた。
「待って。」
「うん?。」
呼び止める声に、首だけで振り返る。
高桐真梨子が、こっちを向いていた。
「私は。」
彼女は言う。
「あなたのせいで、一哉が死んだと思ってる。」
「・・・・・・・・。」
無言の僕。
そして、高桐は最後に一言付け足す。
「それだけだから。」
そう言って高桐は、たぶん自分の席に向かっていった。
「・・・・・・・・うん。脳の皺に刻んでおくよ。」
気が向いたらね。
僕はそう答えて、隣の教室から退室する。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・僕のせい、か。」
ふむふむ。
遠回ってるけど、ど真ん中かな。
なかなか良いところつくじゃない、高桐さん。
見直したよ。初対面だけどさ。
どうでもいいしね。
さて。
「次の授業、なんだったかなぁ?。」





<12章=ななな>





「さぁ来るのだこうくん。」
「いやいや待てれい美島さん。」
これだけで今の僕の置かれている状況が想像出来たら天才だ。まぁどういう才能かは分からないけど。
とりあえず僕は、美島に腕を持たれて引っ張られていた。
その隣には、木沢もいる。
ここに至るまでを簡単に説明すると。
「立ち上がるんだこうくん。」「武装蜂起はほどほどにね。後僕は平和主義者だから。」「私たちにはこうくんのような人間が必要だ。」「実はぼくは宇宙人なんだ。」「こうくんが必要だ。」「すまないがそれは前世の名前なんだ。」「現世に生まれ変わってくれてありがとう、こうくん。」「ごめんなさい、人違いです。」「嘘!。その右腕の痣は私たちの種族の証なんだ!。」「これは先日アメフトの試合で・・・。」みたいなことはなかったけど。僕も途中からなんだから分からなくなってきてたし。
まぁ正直に言えば、なんだか男手が必要だから手伝ってって強引に引っ張られているみたいな感じなんだが。
それにしてもさすが剣道部期待の星。なかなか、力が強いではないか。
「悪いねこうくん。なんだか巻き込んじゃって。」
そう言って、引っ張られてる僕の肩がポンッと叩かれる。
「でも人手がいるんだということで、納得してくれ。」
そう言って、茉矢木武将というなんだかいかにも強そうというか、絶対下の名前の方は呼び方間違えられるだろうと予想が出来るそいつは、目の細い狐系に顔を爽やかな、歯とか光りそうな笑顔を僕に向ける。
そしてそれに対抗して僕も頭とかを光らそうと思ったけど、僕の頭はまだ髪の毛の心配をしなくてもいいので無理だった。
とりあえず簡潔に茉矢木の事を説明するなら、僕の両手の指に入る物好きというか変わったやつとだけ言っておこう。
実際、変わってるしね。案外努力家なんだけど。
「分かったからまず手を離してくれ。」
そう言って僕は視線と共に美島に訴える。
いい加減腕が痛いのだ。
「逃げたらだめだぞ。」
そう念を押して、美島は僕の腕を離す。
そこで翻って逃げようかと思ったけど、どうやら僕は3人に囲まれているようで、逃亡は無理そうだった。
まぁ別に無理すれば出来ないこともないだろうけど、そこまでのやる気も、僕には存在しなかった。
平和主義だからね。日本人精神万歳。
どうでもいいか。
「それで?。僕は何をすればいいの?。」
一様待ち人もいるから、あんまり時間をかけたくもない。
それにお腹も減ってるしね。
「えっとね、ちょっと美術部の用品を持っていくの手伝って欲しかったんだけなんだけど。ごめんねこうくん。」
そう言って、申し訳なさそうに僕を見る木沢。
惜しい、そこで舌を出したらなお良かったのに。
駄目だなぁ、みんな。ももちゃんを見習わないと。冗談。
「そんなに重い物なの?。悪いけど僕はそんなに力持ちじゃないから大した戦力にはなれないぞ。」
紅葉かももちゃんぐらいが限界だ。みみさんは、・・・・うむ。イエスと言っておかないと怒られそうなので、イエス。
「うんん。」
だけど、木沢は首を振る。