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ぐるぐる廻る、僕らと僕と・・・。

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紅葉はそう言うと、どんどん先に歩いて行ってしまった。
その足取りは、うん。
踏みしめているという表現がよく合っている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うむ。」
それにしても、夕日がきれいだなぁ。
残念だね木沢さん、空はオレンジ色だよ。
どうでもいいけど。
まったくもって、どうでもいいけど。
とりえず僕は、紅葉の追いかける事にした。






<6.5章=まさっら>



この世界は嫌いだ。
大嫌いだ。
億劫で、普遍的な、繰り返されるだけの。
退屈な毎日。
何も変わらない、何も起こらない、何も何も何も、何もない。
これからもどうせそうだろう。
これまでもそうだった。
怠惰に、惰性にまかせて生きていくだけ。
グダグダグダグダ生きていくだけ。
意味のない生を生きていくだけ。
いったい自分は何のために生まれてきたんだ。
どんな意味をもって生まれてきたんだ。
どんなに考えても、どれほど考えても、その意味が見出せない。
そして、考えれば考えるほど。
自分が、無価値に思えてしょうがない。
無意味な産物。
まさしくそれだ。
まさしくその通りだ。
自分の存在なんて、どうせその程度だ。
ああ、意味が欲しい意味が欲しい。
自分が今此処にいる意味が欲しい。
でも、ささやかな物じゃ嫌だ。
米粒のような小さな価値なんて必要ないし求めていない。
それに自分には、意味もなければ目的もない。
あっても刹那的で、長続きしない。
させようと思えるだけの物でもない。
そう思うと、さらに自分が無価値な物のように思えてくる。
生きていても、死んでもいても変わらない。
どうせ自分が死んでも。
こんな意味の欠片もない自分が死んでも。
何の、変化もない。
周りにいる人間もそう。
全員、無価値で、無意味に。
まるで、ゴミのように生きているだけ。
自分もゴミで、みんなゴミだ。
そこにいるだけで、何の意味もない、ただの紙くずだ。
誰が死んでも変わらない。
どうなって変わらない。
ごみごみごみごみごみごみごみごみごみごみごみごみごみごみごみごみごみごみごみ。
ゴミ。
ゴミだらけだ。
無意味な物だらけだ。
生きていてもしょうがない物だらけだ。
みんな死んでしまえばいい。
どうせ何も変わらないけど、無意味に生きているくらいならば死んでしまえばいい。
目障りなだけだ。
消えてしまえ。
自分もろとも死んでしまえ。
いなくなってしまえばいい。
こんな意味もない人間達なんて、みんな。
みんな、死んでも構わない。
どうせ何もないんだから全部無くなってしまえ。
そう、思っていた。



<7章=びちゃ>



翌日。
僕と紅葉が昨日よりも早く学校につくと、辺りは少し騒がしかった。
「なんだろう?。」
「・・・・・・・・・・・。」
紅葉は特に何も言わず、それでもって僕が軽く辺り見渡すと、校庭とは反対側にあるゴミ捨て場のある方に、僅かながらではない人だかりが出来ている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うむ。」
どうでもいいけど、僅かに好奇心が。
行ってみるとするかな。
「紅葉はどうする?。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
紅葉はその人だかりの方をじっと見ている。
「紅葉?。」
「行く。」
「そっか。」
僕は頷く。
そして僕らは、坂道を登ってゴミ捨て場の方に向かっていく。
・・・・・・・・・・・うむ。
それにしてもうちの学校って、変な地形の場所に建ってるよな。
高低差がすっごくあるって言うか、まともに平行な場所、あんまりない気がする。
まだ1年間も通っていなような気もするけど、そんなに気にしたこともなかたなぁ。
「・・・・・・・・うん。」
僕は首を傾げる。
「何だこれ?。」
坂を登った僕らの目の前に広がっていた光景は、思わずそう呟いてしまうほどのものだった。
奇妙と言うか、何と言うか。
「運動部大集合、かな?。」
何故かはわからないけど、サッカー部からテニス部からはたまた野球部までこんな所に集まっている。
しかもその中に混じるように制服の学生もちらほら見える。
でも。
「みんなで楽しく朝練、って雰囲気でもなさそうだな。」
全然活気もないし、乱闘ってわけでもないんだろうけど。
それになんだか、空気も変だ。
濁ってるっていうか、淀んでるっていうか。
この、独特の感じ。
これを、嫌ってほど僕は知っている。
「紅葉。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「ちょっと、此処で待っててくれる?。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
紅葉は無言。
僕はそれを肯定と受け取り、1人でその人だかりに近づいていく。
「・・・・・・・・・・。」
近づいて分かったんだけど、どうやら生徒達はとある一箇所を囲むように集まっているようだ。
それにどうしてだか、ほとんどの人が故意に顔を逸らしているようにも見える。
女子生徒に至っては、座り込んで縋り合っている生徒もいる。
ついでにすすり泣きも。
悲しんでいると言うよりは、怯えからくる方で。
「・・・・・はぁ。」
なんだか、髪の毛レーダーがビンビン来てるぜ。
まあ、何となくの予感なんだけど。
外れないだろうなぁ、いい加減。
こればっかりは、両手どころか両足の指を足しても数えられないほどだし。
慣れたくないけど、慣れだよなぁ。
此処で起きたのは初めてだけど、1つだけ言えることがある。
それは、珍しく今回は、僕達との関係は、無さそうだと言うこと。
良かった良かった。
「ちょっとごめんね。」
僕はそう言って、前にいた野球部の生徒を退ける。
その生徒は僕に何も言うこともなく、簡単に退いてくれた。
放心していただけだろうけど、どうでもいいしね。
そうして僕は、野次馬の一員を担ってそれを見る。
生徒達に囲まれた、その、中心にあるもの。
それは、真っ赤な、真っ赤な。
水たまり。
もちろん、絵の具でもなければ、ペンキでもない。
そして、空気に漂う、独特の、鉄によく似た香り。
腐臭とまでいかないけど。
口を押さえている生徒もいる。
それから、その水たまりの、発生源。
もちろん、水道でもなけでば、突然変異の雨でもない。
それは、すでに終わってしまった、元、人間。
いわゆる。
死体。
という、物、だった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
そして、それを見て、僕は、頷く。
「うん。」
久しぶり。
そして、


<8章=だーだー>


その後、すぐに警察が到着した。
そして僕らは一旦その場から離され、各々の教室に行くように言われたので、言われたとおり現在僕は自分のクラスにいる。
ちなみに1時間目の授業は自習、現在は2時間目の自習に突入している。
そして僕のいるクラスの生徒達は、今朝の出来事の話題で盛り上がっていることもなく、静寂というか、たまに僅かな話し声が聞こえるくらいで、あえてその話題を外しているようにも見える。
何にしても、僕には関係ない事だけど。
誰が死んだのかは、・・・・・・興味もないし。
確かに。死体は見たけど。
「あれじゃあねぇ。」
とてもじゃないが誰か分かるような状態じゃなかった。
少し遠目だったからよく見えなかったってのもあるけど、たぶん。