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ぐるぐる廻る、僕らと僕と・・・。

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なんでそこまで僕に関わろうとするのか。
どうでもいいけど。
「今日はきっと用事が出来そうだからね。」
「え、出来そうってどういうこと?。」
「そのままの意味だよ。字面通りその通りに受け取って貰って構わない。」
「うーん。よくわかんないよ。」
「うん、分かってもらわなくてもいいからね、別に。」
「そ、そうなんだ。・・・・・・・・難しいね。」
「そう?。」
これ以上になく簡単だと思うけど。
とりあえず僕は先に進むことにした。
「じゃ、僕は行くから。じゃあね。」
「うん。バイバイ。」
「さよならだ、こうくん。」
2人の声を聞くと同時に、僕は教室のドアを開けて廊下に出る。
そして数人の学生に混じって廊下を歩いていく。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
すると、少し先の廊下の壁に1人の男子生徒が壁に背中を当てて立っていた。
明るめの茶髪に、着崩した制服の生徒だ。
別にそれ自体はどうでもいいんだけど、僕がそれを気になったのは、その男子生徒が思いっきり僕の事を見ているからだ。
あの教室で見られた視線と、ほぼ同質のものを含んで。
あからさまな嫌悪だ。
「・・・・・ふむ。」
これは、やっぱり、かな。
どうでもいいけど面倒そうだなぁ。
僕は、出来るだけ正面だけを見ながらその男子生徒の前を素通りしようと歩いていく。
「っと。」
おいおい。
おもいっきり肩掴みおったよ。
そっちは紅葉に刺されたほうだからちょっと痛い。
掴まれるのはやっぱり女の子のほうがいいなぁ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・何か用?。」
とりあえず僕の方から声をかけてみる。
「はっ。」
僕の言葉に、その男子生徒は挑発的に笑った。
だから言ってるだろ、底が見えるって。
出来るだけ考えないようにしてるんだから止めてくれ。
「そうそう。ちょっとおまえに用があるんだけどさ。」
「僕には特にないんだけど。そもそも僕は君のこと知らないし。」
「はぁ?。別にあんたが俺の知らなくてもいいんだよ。とにかく此処じゃあれだからちょっと来いよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ふむ。
別に付いて行かなくてもいいんだろうけど、また絡まれるのも面倒だし。
しつこそう、だしなぁ。
そう思って僕は、その男子生徒の後ろを付いて行くことにした。
・・・あ、雲がちょっと晴れてきてるな。太陽の光がそこから地上を照らしてる。
残念だね木沢さん。
その男子生徒は3階から2階に降りて、そこから真っ直ぐに反対側の校舎へと伸びる通路を歩いていく。
なるほど、特別教室廉の方に行くのか。
随分遠くまでいくんだなぁ。
そして、今度は階段を昇って、その男子生徒は1つの教室の扉を開けた。
ふーん。美術室、か。
まぁ確かに、此処は授業がない限りまず人なんて来ないだろうし、今日は月曜日だから先生達は会議で部活もないし。
非常にひっそりとしているというか、僕ら以外誰もいない。
込み入ったら話をするならまさにうってつけってわけだ。
出来れば女の子に呼び出されたかったよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まさかこいつ、僕のこと。
だったらいやだなぁ。
「おい。」
「うん?。」
「俺さ、一様言っとくけど隣のクラスの千種一哉って言うんだけど。」
「はあ・・・・。」
自己紹介されても。
別にいいけど。
覚えておく気もないし。
「それで?、その千種一哉君が僕に何の用?。」
「ああ。はっきり言うとな。」
という前置きをして千種という男子生徒は言う。
「おまえ、もう俺達のクラス来ないで欲しいんだけど。」
「・・・・・・・・・・。」
「正直さ、鬱陶しいだよね。編入生だかなんだか知らないけどさ、途中からから出てきたやつがそんなに調子に乗るなって感じ。うちのクラスのやつらもみんなお前のことそう思ってるよ。」
「・・・・・・・・・・ほう。」
ふむ。
まぁ僕から言うなら、君のほうがよっぽど偉そうだなぁとか思うけど。
クラス声でも代弁してるつもりなのかな。
顔が実に好色そうに歪んでる。
決して少なくはない人間に当て嵌まる表情。
どうでもいいんだけど。
「あんたが来るとクラスの雰囲気悪くなるんだよね、マジで。空気っていうかそういうもんが。もしかして自分で気づいてないの?。」
「さあね。」
ばっちり気づいてますともさ。
これでもかってくらい。
ただ、そんなことどうでもいいだけだし。
どっちにしても、変わらないんだから。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それにしても。
随分遠回り、してるなぁ。
「さあねって・・・、分かってんの?。あんたさ、マジでみんなの大迷惑になってるんだけど。」
「うん。・・・・・・・・それで?。」
「は?。」
「それで、結局君は僕に何が言いたいわけ?。」
「そんなのさっきも言っただろ。うちのクラスに来るなって・・。」
「だからさぁ。」
僕は言う。
「君は僕に何が言いたいの?。回り道しすぎなんだって、さっさと君自信の目的を言ってよ。正直、少し飽きてきた。」
「おまえ、何、言って・・・。」
「別にそんなことを言うために僕のところに来たわけじゃないんでしょ?。それにさっきから、自分の事をクラスの代表みたいに言ってるけど、別に誰かに頼まれた訳でもないだろ。」
さっきから千種が言ってことは、思ってるとか、雰囲気とか、そんな曖昧な言葉ばかりだもんなぁ。
空気を読み過ぎて空回りしっちゃってる感じかな。
僕はあえて読まない感じだけど
「だ、だからっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
僕の言葉に、千種の言葉が止まった。
若干、面食らったような顔している。
だから底が見えるからやめろって言ってるだろ。
「僕もそんなに暇なわけじゃないんだからさ。」
これから家に帰ってみみさんの夕食を食べなくてはならないし。
「言いたい事があるならさっさと言ってくれないかな?。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
少し、顔をしかめてる千種君。
僕としては、さっさと離して欲しいんだけど。
待ってる人もいることだし。
しょうがないから、ちょっと強引に話を切り上げるか。
「ねえ。」
「なんだよ?。」
「一緒に弁当食べてるのがそんなに気にいらない?。」
「っ・・・・・・・・・・・・。」
今度は、本当にあからさまに顔を歪めた千種少年。
羨ましいなら今度ちくわでも分けてあげるよ、冗談だけどさ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ。」
けれどその表情も、すぐに元も好色そうな表情に戻る。
だからさぁ、やめろって。出来るだけ考えないようしてるんだから。
「そうだよ。」
千種は元の勢いで僕に言う。
「おまえさ、邪魔なんだよ。毎日毎日こっちの教室に来やがってさぁっ。友達いないのかよおまえ。寂しいやつ。」
馬鹿にしてるような上から目線。
思わず木沢さんを見習えと言いたくなる。
見習ったら見習ったでもう人として見る気はしないけど。
「はっきり言うけどな。」
それ、さっきも言ってなかったけ?。
「おまえ、もう薙ちゃんのそば来るなよ。」
「なんで?。」