ツインテール探偵くるみの事件簿
栞さんの漫画を読ませてあげることで化学部には丁重に帰って頂いた。
探偵事務所のドアを開けると、墨汁の他に焦げ臭い匂いがした。
「なるほどね。そういうことだったの」
栞さんがため息をついた。
漫画同好会で栞さんの説明が始まった。
「漫画を愛する熱い女の子がいる。彼女は部室の裏側の道路を歩いていて窓から出ている煙を見たの。そして、急いで金網を登り、部室に入ろうとした。クリーム色のカーテンがある部屋、それが漫画同好会だと思っていた」
出入り口から二番目が漫画同好会だ。建物の反対側に回れば右から二番目になるはずなのに勘違いして、望月さんの部室に向かったのだ。くるみに次ぐおっちょこちょいなやつだ。
カーテンが閉まっているので誰もいない、ドアからは入れないと思う。窓を調べると鍵が掛かっている。
「だからガラスを割ったの」
だが望月さんの部室だった。自分の勘違いに気付き、漫画同好会へ向かう。隣からは煙が出ている。消火するか、だけど彼女は漫画を助けた。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん