ツインテール探偵くるみの事件簿
そんなことが出来るのか化学部に追求され実験することになった。
「犯人は最低三人必要」
くるみは三本の指を立てた。
「水を流す人、ビーカーを割る人、部屋から出て来るのを見張る人」
「まず蛇口にホースをつけ、窓の近くの金網に掛けておく。開かずの部屋にしなかったのはホースが届かなかったからよ」
ホースを伸ばしながら窓が開いた探偵事務所を見ると、墨汁がこぼれて机の上が真っ黒になっていた。
「おい、くるみ」
俺が指さすと、
「あちゃー。風で倒れたのか。でも変だな、フタしたはずだけど」
推理通りホースをセットすると、
「ワトちゃん、いいよ。水をどばーっと流して」
と、くるみが合図した。
しかし、蛇口を捻っても水は窓に当たらない。さっきもちょろちょろしか出なかった。
「どうしたのワトちゃん、どばーっとやってよ、どばーっと」
くるみの声がむなしく聞こえた。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん