ツインテール探偵くるみの事件簿
「化学部?」
栞さん同様俺も驚いた。
「行けばわかる」
化学室に入ると、白衣を着た三人の男が集まっていた。
「そこまでよ。盗人ども」
漫画の原稿を手にした男たちにくるみが指さした。
「俺たちじゃないですって」
化学部の部長が言った。
「だったらなぜ持ってたの?」
栞さんが問い詰める。
「学校に来る途中で拾ったんですよ」
くるみが咳払いをした。
「今からわたしが化学的盗難事件の説明をしてあげる」
くるみの理科の点を知ってるだけに不安だ。
「熱くなったガラスに冷たい水を掛けると割れるでしょ」
今日はものすごく暑く、窓ガラスも熱されていた。
「それがトリックなのか?」
それだけで化学部が犯人というのはかなり無理がある。
「って思ってるでしょ、ワトちゃん」
思ってるよ。
「理由は他にもある。わたしたちが聞いたのは窓が割れる音じゃなかったの」
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん