ツインテール探偵くるみの事件簿
「そんなドミノ倒しみたいなことが起きたって証拠はあるのか?」
「晴れなのに傘を持って来る理由、それは犯人達が返しに来たってことでしょ」
「だったら三本あるはずだろ。栞さんの傘は?」
「犯人が気に入って返さないのよ」
なんか強引だ。
「ところで倉田さん。あなたは能登君より先に帰りましたね」
「えっと、ああ、そうだな」
「つまり、Xは倉田さんということになります」
「三人の中で最初に帰ったから傘を持ってないとは限らないだろ」
「違うわ。傘を持ってないから早く帰らなければいけなかったの」
最後になったら傘は残っていないからだ。
「それに女性の傘を盗んだらすぐバレるでしょ」
「だからワト君や能登君よりも先に帰ったのね」
栞さんにくるみは頷いた。いつの間にか栞さんまでワト君と呼んでいた。
「その結果、Xは倉田さん、Aは能登君、Bは望月さんになります」
「じゃ、栞さんの傘を盗んだのは」
「今の話だと能登君が私の傘を盗んで返しに来たってことになるわよね」
望月さんの反論だ。
「そうですけど、何か?」
「私が男物の紺の傘を持っていたってこと?」
「校則通りのスカート丈に白のハイソックス。地味な傘をさしても変ではないでしょ」
またまた強引な気がする。しかも失礼だ。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん