ツインテール探偵くるみの事件簿
「ワトちゃん、ボードをここに」
古くなって捨ててあったホワイトボードを机の上に置き手で支えた。
「まず、三人の中で傘を持っていなかった人物をXとします」
黒ずんだホワイトボードにXと書き込んだ。
「そして、栞さんを含む傘を持っていた人物をA、B、Cとします」
続けて、A、B、Cと書き加えた。
「まず、傘を持っていないXはAの傘を盗んで帰ります」
AからXへと矢印を引いた。
「みなさんも傘を盗まれた経験はあるでしょう。その時どう思いましたか?」
諦めてビニール傘でも買う、かな?
「それなら私も盗もうって考えませんでしたか?」
えええっ!
「Aもそう思ってBの傘を盗んで帰ったのです」
BからAへと矢印を追加した。
「同じようにBもまたCの傘を盗んで帰り、そして最後のCが」
「栞さんって言いたいのか?」
俺が引き継いで言うと、くるみが頷いた。
「これがアンビリバボーアンブレラ事件の真相です」
本当か?
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん