ツインテール探偵くるみの事件簿
カーテンにはほんの少しだがガラスの破片が刺さっていた。
「机の上でたるんでいたカーテンに外から割られたガラスの破片がのったの」
ドアを開けたときの風ではためき、破片を外に出したのだという。
「入った時、窓は閉まってたぞ」
「と、とりあえず、裏に回りましょ」
くるみはガラスが散らばっている地面を大きな虫めがねを使って調べていた。
「漫画同好会を出てから戻るまでどれくらいだった?」
「10分くらいじゃないか」
腕時計を見ながら答えた。
「なぜ開かずの部屋にしなかったんだろ?」
漫画同好会から一番離れている部屋だ。牽制ならこちらの方がいいだろう。
「そうしたくてもできなかった」
「なぜ?」
くるみはそれには答えず、「蛇口があったよね」と訊いた。俺はさっきそこで顔を洗った。バケツとホースもあった。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん