ツインテール探偵くるみの事件簿
「押すな、くるみ」
「なにが出るんだろ、わくわく」
トラップを受けるのは俺だぞ。
開錠し、ドアを少しだけ開けて中を覗く。薄暗くて何があるのかわからない。
「何も起こんないじゃん。つまんないの」
くるみが大きく開けると、キャスター付きの机が襲って来た。慌てて逃げようとして足が絡まり、その場に尻もちをついてしまった。机はドア枠で止まった。
「ワトちゃん、重い」
下にくるみがいた。
「もう、女の子を下敷きにするなんて」
お前が勝手に開けるからだろ。
「よいしょ」
栞さんが机の上に四つん這いになった。ミニスカートからのぞく足がセクシーだ。
「どこ見てんの」
少なくともお前じゃない。
俺とくるみが続いた。桃果は怖がって来ない。
部屋には水晶や標本が並んでいる。
「魔法使いが訪ねて来そうだな」
「勝手に触っちゃ駄目よ」
「えーん、なにこの緑」
くるみには忠告というものが通じない。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん