ツインテール探偵くるみの事件簿
部室のドアには窓があるので中を覗くことは出来る。
「誰もいないよ」
背伸びをしながら妄想愛好会を覗いていたくるみが言った。錠は同じなので探偵事務所の鍵でも開く。入ると、ゴザの上に座布団が敷かれていた。ここで瞑想ならぬ妄想をしているらしい。窓は割れていない。
トラップがあるので望月さんの超常研は飛ばして、一番端にあるあかずの部屋を調べることにした。荷物で隠れていたが、割れた形跡はなかった。ドアが突然閉じて、桃果が悲鳴を上げた。
「風で閉まったんだろ」
超常研の前に移動した。三人の女が振り返って俺を見ている。他の時なら嬉しい。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん