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ツインテール探偵くるみの事件簿

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 そして今日、2リットルのペットボトルをラッパ飲みしている女がいる。くるみだ。
「お腹こわすぞ」
 そう言うと、音を立てて机の上にボトルを置いた。
「だったらこの暑さなんとかしなさいよ」
「隣に行けばいいだろ」
 今日も栞さんと桃果が来ている。宿題は8割残っているのに机の上で別のことをしている。
「なに書いてんだ?」
「ここがミステリーハウスって言われてるの知ってる?」
 変なクラブばかりなのでそう言われている。
「だからいっそのこと表札作ってやろうって」
 木の板に墨書きするため半紙で練習している。確かに練習が必要な字だった。

「暑いよう。風入れて」
 今日は風が強い。
「ドアを開けたままにしていると廊下を歩く人の邪魔になるんだよ」
「栞ちゃんと桃果しかいないから、いいじゃん」
 ドアを外に向かって開けると勢いよく風が入り、机の半紙が飛び交った。くるみが慌てて腕で押さえていた。
「もう、いきなり開けないでよ」
 文句の多い女だ。

「もうだめ。隣行く」
 くるみがだるそうに教科書を抱えた。
「ちゃんと宿題やれよ」
 くるみが出て行った後、ドアを閉じて外に出た。日差しが強くて溶けそうだ。出入り口そばの水道で顔を洗った。水がちょろちょろしか出ないのがイラつく。