ツインテール探偵くるみの事件簿
「くるみ、マスタードついてるよ」
栞さんが紙ナプキンで唇を拭いてあげていた。
「洗ってくる」
と、くるみが席を立つと、
「じゃ、一緒に行こう」
戻って来た栞さんが、席に着くなり俺に向かって、
「さっきのカップルの女からワトくんは彼氏なの? って訊かれた」
「どう答えたんですか?」
「全然違いますって」
あ、そうですか。
それからしばらくは、正面のくるみが俺をにらみ、右前の栞さんがSMHで俺の顔や体をなで回し、右隣の望月さんはパソコンの画面を見ていた。
そして、事件は起こった。いや、すでに起きていたのだ。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん