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ツインテール探偵くるみの事件簿

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「車に乗っていた時、辻さんが話していたことを思い出してみて」
 そばばかり食べさせられて、スパゲッティが好きだって言ってたな。
「体に巻きついた紐はひかるくんの声なきメッセージ、みたてだったの」
「みたて?」
「さっきの能登くんが何に見えた?」
 いもむしかな。
「フォークに巻きつけたスパゲッティに見えなかった?」
 なーるほど、ってなわけねえだろ。
「久しぶりにここに来て子供の頃の記憶がよみがえったのよ」

 外で足音がした。
「しっ、静かに」
 くるみが唇に指を当てた。
「きっと、ひかるくんだよ」
 そばにあった木材を握り締めていた。
「くるみ、待ちなさい」
 栞さんが呼び止めた。
「相手がどんな武器を持ってるかわからないのよ」
 くるみが頷いた。
「力の弱いくるみは2階の部屋に隠れて。倉田くんとワトくんは1階で待機よ」
「でも、栞ちゃんは?」
「二人の騎士が守ってくれる」
 俺と倉田先輩の間に入って腕を組んだ。
「だから、わたしがいいって言うまで出てきちゃだめよ」
 栞さんの迫力に押されてくるみは2階の部屋へと向かった。

 そして扉が開いた。