ツインテール探偵くるみの事件簿
1階に戻ると、倉田先輩の姿が見えなかった。
「外の空気を吸って来るって」
外は暗くなってきたのに肝っ玉が太い。
「ねえ見て、ロウソクが1本消えてる」
栞さんが指摘した。6本あるうち1本が消えていた。
「こ、これは一人消えるたびにロウソクの火が消えて……」
「窓の外に人影が」
つられて顔を向けた時、栞さんが吹き消そうとするのが見えた。
「なにしてるんですか」
「ばれた?」
「ロウソク用意したのも栞さんですよね」
「雰囲気出て、くるみが喜ぶかなって」
喜んでるのはあなたでしょ。
くるみが震える指で窓を指していた。
「い、今、窓の外で白いものを巻いた人が通ってた」
「怖いって思ってるから錯覚したんだよ」
「だったら見て来てよ」
いやだ。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん